第42章 ホグワーツ
2年生もとても忙しく、時が早く過ぎた。2年生になっても変わらず、トムに勉強を教えてもらい良い成績を修めることができた。1年生の時とは違い、すぐに使えない呪文や知らないことがあったことで安心したのは私だけの秘密だ。
そして2年生が終わり、夏休みに入った私はトムと孤児院に戻った。しかし、今、私とトムはロンドンにいる。なぜなら、私が暇そうにしているのを見たトムが連れてきてくれたからだ。
『トム、ありがとう』
「いいや、気にしないで。僕も来たかったんだ」
優しく笑ったトム。
『あっち、行こう!』
「危ないよ、ユウミ」
駆け出した私に、慌てたようにトムはそう言う。私は、トムを振り返り笑顔で大丈夫と伝えた。トムが追い付くのを待つと、トムは私の頭を一撫でしてから私の手を握る。
「人が多いからね。はぐれないように」
私とトムは手を繋いで、ロンドンを見てまわった。
『トム、あそこ行きたい』
私が指を指したのは、可愛い雑貨屋さんである。トムは優しく了承してくれて、そこに向かう。
『わぁ〜可愛い!』
そこには可愛い雑貨がたくさん置いてあった。色々なものを見て周り満足した私は、トムにお礼を言ってお店を出る。
「楽しめたかい?」
『うん、とっても!』
そろそろ時間だからと私達は帰ることにした。
孤児院に着き、部屋でくつろいでいるとトムが部屋へとやってきた。
『どうしたの?』
「これ、あげるよ」
トムが差し出したのは、可愛くラッピングされたものだ。なんだろうと思って、丁寧に開けて中から出てきたのは。
『これ!!』
なんと私が先程行った雑貨屋さんで、可愛いと思って目の奪われた猫のぬいぐるみが出てきた。手のひらにおさまるくらいの大きさである。
「ユウミがすごく見ていたからね」
穏やかに優しく微笑んだトムに、私はぎゅっと抱きつく。
『ありがとう、トム!大切にするね』
トムから離れた私は、トムにラッピングされた袋を出して渡す。トムは中から出てきたものを見て驚いた表情になった。
『トムがたぶんそれを買いに行っていた時に、私もそれを買ったの。よかったら使ってね』
私が渡したのは、日記帳だ。
「ありがとう、大切にするよ」
トムは嬉しそうに笑い、私の頭を撫でてくれた。