第42章 ホグワーツ
『トム!おはよう』
にっこり笑った私に、トムも綺麗に微笑む。
「Ms.パーネルもおはよう」
『おはようございます』
トムとソニアも穏やかに挨拶を交わす。それから、トムは私と少し話してから行ってしまう。
この日から、私の魔女としてのホグワーツでの生活が始まった。しかし、時が過ぎるのは早くあれよあれよといううちにもう学期末を迎えていた。
「ユウミ...あなたすごいのね...」
ソニアが私達、1年生の成績を見てそう言う。それもそのはず、一番上に書いてあるのは私の名前なのだから。
『トムがたくさん教えてくれたの』
にっこりと告げた私に、ソニアは納得したような顔をした。
「あの、リドルが教えていたらそうなるわね」
『うん。トム、すごくわかりやすく教えてくれるの』
あのというのは、トムはスリザリンだけでなく他の寮からも慕われていて、さらにはとても頭がいい。それに加えて、顔もいい。そんなわけで、トムはとても人気者なのだ。そんなトムに教えてもらったからというのももちろんあるのだが、なぜだか1年生の呪文をすぐに使えたことや、勉強していないのにたくさん知っていることがあったのは誰にも言っていない。
「ユウミ」
『アルバス!』
私を呼び掛ける声にそちらを見ると、そこにいたのはアルバス・ダンブルドアだった。変身術の先生で、私が一番に出会ったホグワーツの先生である。アルバスには何かと気にかけてもらえていて、よくお茶会を開く仲だ。一緒に過ごしているうちに、私はアルバスと親しみをこめて呼ばせてもらっている。
「私は先に部屋に戻ってるわね」
アルバスが近づいてきたのを見たソニアは、私にそう告げて去っていった。
「お邪魔だったかな?」
『そんなことないです。お話したかったです』
アルバスはにっこり笑った私に優しく微笑み、いつもお茶会をしている部屋に移動して、招き入れてくれる。そこで私の今回の成績の話になった。
「おめでとう、他の先生方もとても褒めておられたよ」
『トムがたくさん教えてくれたんです』
嬉しくて笑った私を優しく見つめているアルバス。
「それはよいことだ。トムとは仲良くしているようだね」
『はい。トムは...』
そのまま、アルバスとトムのことやホグワーツのことをたくさん話した。