第42章 ホグワーツ
トムはソニアのファミリーネームを聞いて、少し驚いたような表情をした。純血の名家だからだろうか。
「僕は、トム・リドル。ここの3年生だよ、よろしく」
すぐに笑顔に戻ったトムとソニアが穏やかに自己紹介をしあい、握手を交わす。そして、みんなの組分けが終わりディペット校長の挨拶が終わると同時に、目の前の大皿に食べ物がいっぱいになっていた。
『おいしそう!!』
私は、自分のお皿に好きなものを少しずつよそって食べだす。それを見たソニアとトムは微笑ましそうに笑った。
『うぅー、お腹いっぱい』
「そうね。デザートもいっぱい食べていたものね」
お腹を擦って呟いた私に、クスッと笑ったソニアがそう言う。
『とってもおいしかったから』
にっこり笑った私の頭をソニアは撫でた。それから、ディペット校長から注意事項などを聞いてから、校歌を歌いそれぞれの寮へと向かうことになった。
私達1年生は、監督生に連れられてスリザリンの寮にたどり着く。地下にあるスリザリン寮に、合言葉をいい入る。監督生に言われて女子寮の自分の部屋に入り、疲れていたためすぐにパジャマに着替えた。
『おやすみ、ソニア』
「えぇ、おやすみなさい、ユウミ」
運よくというかなんというか、ソニアと同じ部屋だった私はソニアと挨拶を交わして、すぐに眠りについた。
「ユウミ、ユウミ」
自分の体を揺すられている感覚に、私は眠いのを我慢して目を開く。
『ソニア...?』
「えぇ、そうよ。早くしないと食べ損ねちゃうわ」
『...食べ...?』
まだ頭の働いてない私は、ソニアの言葉を上手く理解出来ず問いかける。
「朝ごはんよ。早く起きて」
『ん...起きる』
私は、のっそり起きあがり支度をしはじめた。その間にすっかり目覚めた私は、支度を終えてソニアの元に行き謝る。
『ごめん、ソニア』
「ふふ、大丈夫よ。行きましょう」
穏やかに笑って許してくれたソニアにお礼を述べて、私達は大広間に向かう。
「ユウミ、あそこに座りましょう」
私はソニアの示したところに歩いていき、座った。
『授業はなんだっけ?』
「変身術よ」
『ダンブルドア先生?』
首を傾げた私に、ソニアが肯定する。
「おはよう、ユウミ」
後ろから聞こえてきた声に振り向くと、そこにはトムがいた。