第42章 ホグワーツ
「目を開けていいよ、ユウミ」
ゆっくり目を開く。そこには、ホグワーツ特急があった。
『すごーい!』
私達はそのまま汽車に乗り込んで、ひとつのコンパートメントに入る。
『ねぇ、トム。お友達がいるでしょ?私、一人でも大丈夫だよ?』
私は、先程から気になっていたことをトムに言った。
「大丈夫だよ、ユウミ」
優しく微笑んだトム。
『ん〜わかった!』
トムが大丈夫というならと頷く。
「ユウミ、ユウミ」
『...トム?』
私は、あのあとすっかり眠ってしまったみたいだ。トムに起こされた。
「そろそろ着くから、着替えた方がいい。僕は、外にいるから着替えたら教えてくれるかい?」
トムを見ると、私が寝ている間に着替えたみたいでもうローブ姿だ。私はこくりと頷く。トムが出たのをみてから、急いで着替えて声をかけた。それと同じくらいに車内に放送が流れ、プラットホームにトムと一緒に降りる。すると、トムがこちらを見て心配そうに言う。
「僕達は、向こうなんだ。ユウミは1年生だから向こうだよ。大丈夫かい?」
『大丈夫!』
力強く頷いた私に、トムはまだ心配そうにしながらも私の頭を撫でて行ってしまった。私は、1年生を見失わないように着いていく。しばらくして、曲がり角を曲がりそこからホグワーツが見えたため、歓声が沸き起こった。
着いたのは、大きな黒い湖の畔りだ。私は、指示に従い小さなボートに4人ずつでのりこむ。小さなボートはすいすい進み、ホグワーツへと近づく。それに伴い、私の緊張感も高まっていた。緊張のあまり覚えていないが、いつの間にか私は小さな小部屋にいた。
「ふふ。大丈夫?」
隣から聞こえてきた声にそちらを見る。そこには綺麗な女の子がいた。声もなく、こくりと頷いた私の頭を優しく撫でた女の子。
「私は、ソニア・パーネルよ。ソニアって呼んで。よろしくね」
『ソニア!私は、ユウミ・マーレイ。ユウミって呼んでね、よろしく!』
自己紹介をしあった私たち。ソニアとは仲良くなれそうだと私は思った。
「組分け儀式が間もなくはじまります。さあ、一列になって。ついて来なさい」
私達に向かって、ホグワーツの寮のことなどを説明してくれた先生がそう言う。ソニアと話していたことで、忘れかけていた緊張がまた戻ってきた。