第42章 ホグワーツ
ダンブルドア先生の言葉に驚いたが、なぜかすっと受け入れられる自分がいた。非現実的な魔法を。
『トムと一緒の学校に行けるんですか?!』
しかし、私にはトムと同じ学校に行けることが重要だった。だから、目をキラキラさせてダンブルドア先生に問いかける。
「行けるとも」
嬉しくて私は、にっこり笑いトムに言う。
『トム、同じ学校だよ!』
「そうだね」
私はトムに自分の喜びを伝えていたためダンブルドア先生が、私と話すときはとても柔らかい優しい表情をしているトムに、驚いていたとは知らなかった。
『あ...でも...』
私はあることを思い出して、しゅんとしてからダンブルドア先生に伝える。
『ダンブルドア先生...私、お金ないです...』
「それは、問題ないユウミ。ホグワーツには、教科書や制服を買うために援助の必要な者のための資金がある。呪文の本などいくつかを、古本で買わなければならないかもしれんが...」
ダンブルドア先生は、ポケットから革の巾着を取り出しながらそう言った。
『ありがとうございます』
にっこり笑って私は、ダンブルドア先生にお礼を告げる。
「教科書や教材はダイアゴン横丁で買える。どこに何があるかはトム、君に頼んでも?」
「もちろんです、先生」
トムは、頷く。それを聞いてダンブルドア先生は、教材リストの入った封筒を私に渡す。
「では、ユウミ。ホグワーツで会おう」
ダンブルドア先生はそのまま去っていった。私はトムに振り向き、にっこり笑う。
『今年からはもう、トムを待っていなくていいんだ!嬉しい』
「僕もだよ」
トムは穏やかに微笑み、私の頭を優しく撫でる。そこからは、とても忙しかった。トムと一緒に、ダイアゴン横丁へいき教科書や教材を揃え、もちろん魔法使いに必要な杖も買った。あっという間に日は流れ、今日は9月1日だ。
『トム、ドキドキする...』
ホグワーツへは、キングスクロス駅から向かうため私とトムはそこへいた。
「大丈夫だよ」
緊張している私に、トムは優しく笑う。トムについていくと、そこには。
『壁?』
「ホグワーツへは、この9番線と10番線の間の壁を抜けていくんだ」
トムの説明に、私はぎょっとする。
『怖いよ、トム』
「大丈夫、一緒に行こう」
トムに宥められた私は、トムと一緒に壁に向かう。