第42章 ホグワーツ
私はトムが行ってしまってから、とても落ち込んでいたが、リタが慰めてくれたため、なんとか元気に過ごしていた。もちろんトムが私に、手紙を頻繁に出してくれたからというのもある。最初に手紙が来たときは、とっても嬉しかった。
『リタ、知ってる?』
ニコニコ笑って私は、リタに問いかける。
「知ってるわ。トムが帰ってくるのでしょう?」
『そうなの!』
あっという間に1年が過ぎ、もう夏が来た。私は昨日から眠れずにいる。トムが帰ってくるのだ。しかし、楽しみにしすぎて昨日眠れなかった私は、いつの間にか眠りについてしまうのだった。
『あ!寝ちゃった!トムは?』
大きな声をあげて起き上がった私は、クスクス笑っている声にそちらを見る。そこにいたのは。
『トム!!』
そう、トムだった。おかしそうに笑うトムに、私は恥ずかしくなったため、それを隠すように抱きつく。抱き締め返してくれたトムとしばらくそのままでいたが、満足した私はゆっくり離れて、笑って言った。
『おかえり、トム』
「ただいま、ユウミ」
このような事をもう1年やり、私が11歳,トムが13歳になったときの夏休み。私にお客さんが現れた。それは私がトムと私の部屋で、話していたときのことだ。ノックの音がして、コールさんが入ってくる。
「ユウミ、お客様ですよ」
『はい』
不思議に思っているとそこから入ってきたのは、見たことのある人だった。
『あれ?トムの先生?』
「ダンブルドア先生...」
「こんにちは、ユウミ」
トムの先生が何の用事なんだろうと思いながらも、挨拶をしてくれたトムの先生に私も挨拶する。
『こんにちは』
「先生、ユウミに何のご用ですか?」
私が疑問に思っていたことを、代わりにトムが聞いてくれた。
「おぉ、トム。私は2年前に君を訪れたときと同じ用で来ている」
「...まさか」
少し考え込んだトムは驚いたような顔で私を振り向く。話についていけない私は首を傾げる。
「ユウミ...君、魔法を使えるのかい?」
私はトムの言葉にきょとんとした。
『魔法?使えないよ』
「ユウミ、君には魔力がある。私は、アルバス・ダンブルドア。ホグワーツという学校に勤めている。私の学校への入学を勧めに来たのだ。君が来たいのなら、そこが君の新しい学校になる」