第41章 トラブル
目を覚ましてあたりを見回したとき、私は自分が今どこにいるのか一瞬わからなかった。泣きそうになりながら起き上がった私に声がかけられる。
「ユウミ、おはよう。ゆっくり眠れたかしら?」
『リタ...』
声をかけてくれたのはリタだ。私はベッドから降りてリタにぎゅっと抱きつく。
「どうしたの?怖い夢でも見た?」
抱き締め返して背中を擦ってくれたリタは、優しい声で私に聞く。ふるふると首を振った私を見たリタは、私が離れるまでそのままでいてくれた。
『...リタ、ごめんなさい...』
「そういうときは、ありがとうが嬉しいわ」
リタは微笑む。
『...ありがとう』
私はリタに笑ってお礼を言った。私はそのまま支度をしてリタと共に朝食を食べにくる。ある人物を見つけたため私はトタタとその人物に走りよった。
『トム、おはよう』
「おはよう、ユウミ」
挨拶を返してくれたトムに、にっこり笑う。私はリタのところに戻り、そのあとみんなも揃い始め朝食になった。朝食を食べ終わると、お昼までは自由時間だ。
「おい」
振り向くとそこにいたのは男の子だ。6,7歳くらいだろうか。
「お前もあいつと同じなのか?」
『あいつ?』
男の子の指す人物がわからず首を傾げる。すると男の子はイラついたような顔で口を開こうとした。
「ジョン、やめなさい」
そのとき、リタがその男の子,ジョンを諌めるような口調で注意する。
「でも、リタ!」
「ダメよ。ジョンならわかってくれるわね?」
リタが言い聞かせるように優しく告げる。するとジョンはしぶしぶといった様子で去っていった。
『リタ?』
「大丈夫よ」
にっこり微笑んだリタ。それに安心して私も笑い返す。その様子を見ていた人がいたとは誰一人として知らない。そのあとはリタとお話をしたりして過ごした私。あっという間に時間は経ち、昼食の時間になった。食べ終わると勉強をする時間だ。私は、もくもくと勉強をする。
『ん〜?』
「どうしたの?」
わからないところがあり、頭を悩ませる私の隣にトムがやってきて声をかけてくれた。
『トム!お勉強は?』
「もう終わったから大丈夫だよ。どこがわからないの?」
『すごい!』
目をキラキラさせる。トムは私の頭を撫でてから、勉強を教えてくれる。そのおかげであっという間に終わった。