第40章 遭遇
私はハーマイオニーの隣に腰かけた。
『ハリー、頑張ってね?』
「ありがとう」
微笑んだハリー。朝食を食べ終わった私達は、大広間を出る。大理石の階段に足を掛けた途端に、ハリーが叫んだ。ロンとハーマイオニーは驚いて、同時にハリーの傍から飛び退いた。私も驚いて叫んでしまう。
「あの声だ!また聞こえた......君たちは?」
ハリーは振り返る。ロンは目を見開いたまま首を横に振った。ハーマイオニーは、ハッとしたように額に手をあてる。
「ハリー......私、たった今思いついたことがあるの!図書館に行かなくちゃ!」
『私も行くわ!』
ハーマイオニーが全力疾走して階段を駆け上がって行くのを追いかけた。しかしハーマイオニーは走るのが早く、自分の体のこともあったため途中で早歩きに切りかえる。
『ハーマイオニー!』
私は図書館の入り口でハーマイオニーと会う。
「ユウミ!これを見て?バジリスクよ、怪物は」
私はハーマイオニーが千切ったのであろう紙を見た。
『本当だわ...!』
「鏡はある?絶対に直接は見ちゃいけないわ。そろそろハリーの試合始まっちゃうわね、行きましょう?」
二人で鏡を持って、移動する。図書館の少し歩いたところで上級生の女生徒を見つけたハーマイオニーが、説明をして鏡を渡す。
「これで大丈夫だわ。行きましょう」
ハーマイオニーは、ハリーの試合が間に合わなそうなのが気になったのか急ぎ足で歩き出したため、私は少し出遅れる。
『ハーマイオニー、早い...わ...よ』
先に曲がり角を曲がってしまったハーマイオニーを追いかけるとそこには、石になってしまったハーマイオニーと先程の女生徒がいた。
『ハーマイオニー!!』
「ユウミ」
ハーマイオニーに駆け寄ろうとすると、後ろから誰かが私の名前を呼んだ。振り向くと同時に私は、黄色い大きな目を見たと思ったら意識がそのまま遠退いた。
「心配しなくていい。これでいいんだ」
そこにはただ一人の声だけが響く。