第40章 遭遇
ホグワーツのみんなは、何者が襲ったのかはわからないが、その何者かはもう永久に引き籠もってしまったと思っているようだった。さらにハリーにとっては嬉しいことに、ピーブズもやっと歌に飽きたようだ。
マクミランもある日の薬草学の授業で、飛びはね毒キノコの入ったバケツを取るときに、丁寧にハリーに声を掛けているのを私は見かけた。そして3月に入るとマンドレイクが何本か、第3号温室で騒がしいパーティを繰り広げていた。
「マンドレイクがお互いの植木鉢に入り込もうとしたら、完全に成熟したということです。そうなれば、医務室にいるあの可哀想な人たちを蘇生させることができますよ」
スプラウト先生がハリーにそう言ったのを私は小耳に挟んだ。そしてイースター休暇になると、2年生は新しい課題を与えられた。
「ユウミは何にするの?」
『悩んでるわ』
3年生での科目を選択する時期が来たのだ。クレアに答えた通り、私は悩んでいた。もちろんハリーが取ると思われる科目は取るつもりなのだが、占い学だけは悩む。他の教科も興味を惹かれるところもあるのだ。
『ハリー,ロン,ハーマイオニー?』
私はいつもの3人組を見つけて声をかける。
「あらユウミ!もうユウミは決めた?」
『いいえ、悩んでるの』
私はハーマイオニーの隣に座りながら困った顔で答えた。
「そうよね。私たちの将来に全面的に影響するかもしれないものね」
ハーマイオニーはハリーとロンに言い聞かせるように言う。3人と同じように私も新しい科目のリストに詳しく目を通す。
「僕、魔法薬をやめたいな」
「それは、無理。これまでの科目は全部続くんだ。そうじゃなきゃ僕は、闇の魔法に対する防衛術を捨てるよ」
ロンが憂鬱そうにハリーの願望を否定した。
「とっても重要な科目じゃないの!」
衝撃を受けたような声を出すハーマイオニー。
「ロックハートの教え方じゃ、そうは言えないな。あの人からは何にも学んでないよ。ピクシー妖精を暴れさせること以外はね」
それにロンが言い返す。私も確かにと心の中で同意した。ネビルのところには、親戚中の魔法使いや魔女が手紙で、ああしろこうしろと勝手な意見を書いて寄越したらしい。混乱したネビルは、困り果ててリストを読みながら、数占いと古代ルーン文字のどっちが難しそうかなどと聞きまくっていた。