第40章 遭遇
私はハリー達と一緒にいた。それはリドルの日記のことで話したいことがあると言われたからだ。
「リドルは、犯人を間違えていたかもしれないわ。みんなを襲ったのは別な怪物だったかもしれないわ...」
「ホグワーツにいったい何匹怪物がいれば、気が済むんだい?」
ハーマイオニーの言葉に、ボソリと呟いたロン。
「ハグリッドが退学にされたことは、僕達もう知ってた。それに、ハグリッドが追い出されてからは、誰も襲われなくなったに違いない。そうじゃなけりゃ、リドルは表彰されなかったはずだもの」
ハリーはそう言った。
「リドルって、パーシーにそっくりだ。......そもそもハグリッドを密告しろなんて、誰が頼んだ?」
「でも、ロン、誰かが怪物に殺されたのよ」
違った見方をしたロンはそういうが、ハーマイオニーが宥めるように言う。
「それにホグワーツが閉鎖されたら、リドルはマグルの孤児院に戻らなければならなかった。僕、リドルがここに残りたかった気持ち、わかるな...」
ハリーもバーノンおじさん家族のもとへ戻りたくないから気持ちがわかるのだろう。ロンは唇を噛み、なにかを思いついたようだ。
「ねえ、ハリー、君は'夜の闇横丁'でハグリッドに出会ったって言ったよね?」
「'肉食ナメクジ駆除剤'を買いに来てた」
急いでそう言ったハリーに、私達は黙りこんだ。ずいぶん長い沈黙のあと、ハーマイオニーがためらいながら一番言い難いことを口にする。
「ハグリッドのところに行って、全部聞いてみたらどうかしら?」
「そりゃあ、楽しいお客様になるだろうね。こんにちは、ハグリッド。教えてくれる?最近城の中で毛むくじゃらの狂ったやつをけしかけなかった?」
『そうね...さすがに直接は厳しいかしら』
ロンがおどけたようにふるまい、私はそれに同意する。結局私達は、また誰かが襲われないかぎりハグリッドには何も言わないということに決めた。
そして、何日間かが過ぎて行ったが、'姿なき声'の囁きも聞こえることはなかった。ハリー達は、ハグリッドがなぜ退学にされたか聞かなくて済むかもしれないと思いはじめてるようだ。
「もうあれから4ヶ月ね」
「誰も襲われないね〜」
クレアとエイミーの会話を聞きながら考える。ジャスティンとニックが石にされてから4ヶ月が過ぎようとしていた。