第39章 バレンタインデー
その小人は全員、金色の翼を付けハープを持たされていた。ロックハート先生がしたのだろう。
「私の愛すべき配達キューピッドです!今日は学校中を巡回して、みなさんのバレンタインデーカードを配達します。そして、お楽しみはまだまだこれからですよ!先生方もこのお祝いのムードを堪能したいと思っていらっしゃるはずです!さあ、スネイプ先生に'愛の妙薬'の作り方を教えてもらってはどうでしょう!ついでに、フリットウィック先生ですが、'魅惑の呪文'について、私が知っているどの魔法使いよりもよくご存知です。素知らぬ顔して憎いですね!」
ロックハート先生がニッコリ笑い、言い切る。フリットウィック先生は、あまりのことに両手で顔を覆う。セブルスに至っては'愛の妙薬'をもらいに来た最初のやつには毒薬を無理やり飲ませてやる、というような顔をしていた。
「ユウミ・マーレイ、あなたにです!」
「すごいわね...何回目?」
ロックハート先生のせいで、少しうんざりとした顔でまた受けとる。
『...あの人が変なことしなかったら嬉しかったのに...』
私はあれからバレンタインカードを複数受け取っていた。差出人の名前は書いていないため誰からかはわからない。
「ユウミ」
『ドラコ?先に行ってて』
私はクレア達に先に行っててもらうように頼み、頬をうっすらと赤らめたドラコと人気の少ないところに行く。
「チョコレートが好きだろう」
そう言って、素っ気なくスリザリンのカラーで上品にラッピングされた箱を渡される。
『ふふ、ありがとうドラコ!チョコレートとっても好きよ』
満面の笑みを浮かべてお礼を言い、私もスリザリンカラーでラッピングした袋を取り出して渡す。
『ちょうどよかったわ!私はクッキーを焼いたの、少しだけど食べてね』
「ありがとう」
そこでドラコとお別れをして、少し先で待っていてくれたらしいクレア達と合流する。
『待っててくれたのね、ありがとう』
3人は、私に何も聞かずに微笑んだ。授業が始まっても、ロックハート先生の小人達は教室にまで乱入してはバレンタインデーカードを配って、先生たちをうんざりさせた。
私は午前の授業が終わったためお昼を食べている。
「「ユウミ!!」」
「僕たちに」
「渡すものは?!」
そう言って抱きついたフレッドとジョージ。