第38章 危険な日記
ハーマイオニーは私の問いに答えると、1月1日のページをゴシゴシ擦る。またしても何も起こらない。
「だから言ってるじゃないか。何も見つかるはずないよ。リドルは、クリスマスに日記帳をもらったけど、何も書く気がしなかったんだ」
そう言ったロンの言葉で私達は解散した。
「ユウミ」
次の日、廊下を歩いていた私は名前を呼ばれ振り向く。
『どうしたの?』
「これからトロフィールームに行くんだ!ユウミもどう?」
私の名前を呼んだハリーは、リドルのことをもっと知りたいと強くそう思ったために、リドルの'特別功労賞'を調べようと、トロフィールームに向かおうとしているところらしい。後ろには興味津々のハーマイオニーと、あの部屋はもう一生見たくないくらい十分見たから、とまったく納得していないロンも一緒にいる。
『一緒にいくわ。私も興味あるの』
3人と一緒にトロフィールームに行くと、リドルの金色の盾は磨き上げられて、部屋の隅の飾り棚の奥のほうにおさまっていた。やはりというか、なぜ功労賞が与えられたのか、詳しいことは何も書かれていない。
「そのほうがいいんだ。なんか書いてあったら、盾がもっと大きくなっていたから、きっと僕は今でもこれを磨いてただろうよ」
私はロンの呟きに苦笑いする。リドルの名前は'魔術優等賞'の古いメダルと、首席名簿の中にも見つかった。リドルは本当に優秀だったんだなと改めて実感する。
「パーシーみたいなやつらしいな。監督生、首席...たぶんどの科目でも一番か」
鼻に皺を寄せ、むかついたような言い方をするロン。実際はパーシーとは全然違うが。
「なんだか、それが悪いことみたいな言い方ね」
ハーマイオニーが少し傷ついたような声をだした。
『そうよね。監督生も首席も誇らしいことだわ』
私がそう言うとハーマイオニーは同意したように大きく頷き、ロンは顔をしかめる。私達は時間が迫ってきたため、トロフィールームを後にした。