第38章 危険な日記
あれからクリスマス休暇を久しぶりのお父さま,お母さまとのんびりと過ごし、たくさんのことを話した。しかし楽しい時間はあっという間に過ぎる。クリスマス休暇が終わった私はホグワーツへと戻ってきていた。
「ねぇ、聞いた?」
部屋でくつろいでいたクレア,ミア,エイミーのお馴染みのメンバー。そんな私達に向かってクレアが問いかけた。
『どうしたの、クレア?』
「ハーマイオニーが襲われたらしいわよ?」
顔に恐怖を浮かべながらクレアは言う。
『あら、それは違うわ?医務室で入院しているだけよ』
「そうだったの〜?ハーマイオニーの姿が見えないから〜みんないろいろと〜話していたよね〜」
ついこの前にハリーとロンと会ったときに、私がポリジュース薬のことを知っているからかそっと教えてくれたのだ。ハーマイオニーはポリジュース薬に猫の毛を間違えて入れてしまい、猫になってしまったと。
「医務室の前で、入れ替わり立ち替わり生徒達が行き来しているみたいよね。でもマダム・ポンフリーがカーテンをしちゃったから今は見えないみたいだけど」
ミアもエイミーに続いてそう言った。やはりハーマイオニーもマグル生まれのためみんな気になるのだろう。
『お待たせ!』
「ううん、待ってないよ!」
私はこの日ハーマイオニーのお見舞いに行くために、ハリーとロンと待ち合わせをしていた。
『ハーマイオニー、元気なの?』
「すごく元気だよ」
ハリーとロンと会話をしながら歩き始める。実は、ハーマイオニーのお見舞いに行くのは今日がはじめてだ。理由はハーマイオニーが猫の姿を見られるのは嫌だろうと配慮したからである。
「ユウミ、来てくれたのね?!」
『えぇ、大丈夫、ハーマイオニー?』
私はハーマイオニーとハグを交わす。
「ふふ、大丈夫よ」
笑顔のハーマイオニーに安心する。ハリーにとても落ち込んでいたようだと聞いていたからだ。ハーマイオニーは顔の毛がきれいさっぱり無くなり、目も少しずつ褐色に戻ってきているらしい。ロンからの情報だ。
「ヒゲが生えてきたりしたら、僕なら勉強は休むけどなあ」
ロンは、ハーマイオニーのベッドの脇机に本をドサドサと落としながらそう言った。
「バカなこと言わないでよ、ロン。遅れないようにしなくちゃ」
ハーマイオニーはロンに勢いよく答える。