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愛される少女【HP】

第37章 親子


『ミア、大丈夫?』

私はミアを気遣って様子を伺う。

「...もちろん!ユウミがいてくれるのよね?」

『えぇ、そうよ』

二人で微笑んで頷きあってから、部屋を出て先程までいた部屋に戻っていた。ドアの前で一度止まる。

『入るわよ?』

「待って、ユウミ」

ミアは深呼吸を始めた。それをゆっくりと待つ。

「ありがとう、大丈夫よ」

私は微笑んで、ドアを開ける。

『お父さま、お待たせ』

「大丈夫だよ、ユウミ」

中に入るとみんな前と同じ席についていた。それを見て進んだ私の後をミアがついてくる。ミアのお父さまはこちらを見ずにじっとしていて、ミアのお母さまはミアを心配そうに見ている。私はソファに十分近づいたところでどう話し出そうかと悩む。

「...ミア」

しかし、その前にミアのお父さまがミアに話しかける。ミアは少しビクッとした後に、小さな声で返事をした。

「...お前の気持ちを聞かせてくれないか?」

先程までとはうってかわり、優しい声でそう言ったミアのお父さま。ミアも少し驚いたような顔をしてから私の方を不安げにみた。だから大丈夫というように頷く。

「...お父様。私...純血主義っておかしいと思うの...。私の友達にマグル生まれの子がいるわ」

静かに話し出したミア。

「その子は少しはっきりと物を言うところがあるけど、優しい子よ。私が酷いことを言ったときも許してくれたわ。マグル生まれだからって遠ざけてたらそんなこともわからなかった。それに血だけで人を判断したくないわ、そんなの関係ないもの...だから...私は今のままで幸せよ。その...お父様はパーティーで見下されて嫌な思いをするのかもしれないけど...」

ミアはしっかりと自分の気持ちを伝えた。ミアのお父さまは少し考え込んでいる。それを見て不安そうにしているミア。なので私はミアの手を優しく握った。

「...すまなかった、ミア。私はお前に...苦労をかけたくなかったんだ。でも逆にそれが苦しめて悲しい思いをさせていたんだね。...無理に純血主義を装うのはやめようか。私も実はマグルが嫌いではないんだよ」

「...お父様」

私がそっと手を離すとミアはミアのお父さまに抱きついた。それをミアのお母さまはホッとしたように見つめ、私達家族も微笑ましく見つめていた。

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