第37章 親子
次の日の朝、目を覚ました私が見たのはたくさんのクリスマスプレゼントだった。
『ふふ、すごいわね』
プレゼントをひとつひとつ丁寧に開封していき、それが終わると私は下へ向かう。
『お父さま、お母さま、おはよう』
「おはよう、ユウミ」
近くにいたお母さまから挨拶がかえってきた。
「おはよう。これが私達からのクリスマスプレゼントだよ」
「ありがとう、お父さま,お母さま。開けてもいいかしら?」
お父さまが頷いたのを確認してから渡されたプレゼントを開封する。
『これは...!』
「わかるかい?マーレイ家特有の癒しの呪文である'セラペイア・パナケイア'を詳しく書いた本だよ。本当は渡すつもりはなかったんだけど、レイラと話して渡すことにしたんだ。でも、いいかい?これは危険な呪文なんだよ。使ってほしくて渡すわけではないということをわかってほしい」
『...お父さま。...お母さま。ありがとう』
そしてわかってあげられなくてごめんなさい。と心のなかで呟いた。
「汚れちゃうといけないから、本は部屋に置いてきた方がいいわ」
『わかったわ、お母さま』
本を部屋に置いて、席につき朝ご飯を食べ始める。
『お父さま、お母さま、今日はよろしくね』
「午後に来るのよね?」
『えぇ、そうよ』
ご飯を食べながら私は、二人と話をした。先程話したとおり今日の午後にミアのご家族が来る。暖炉を使ってだ。
ご飯を食べ終えた私は、お母さまに声をかけてから部屋へと戻ってきていた。
『このあとはどうなるんだったかしら』
先程お父さま達からもらった本を読もうと思ったのだが、本を読むとつい夢中になってしまうため諦めてこの学年のこれからのことを考える。確か、クリスマス休暇にハリー達はポリジュース薬を使ってドラコから聞き出すのだ。そこで昔に秘密の部屋が開かれたことを知る...。
『...?あ!!ハーマイオニー!忘れてたわ...』
私は、今思い出した。そうだ、ハーマイオニーはミリセントのローブについていた猫の毛をミリセントの髪の毛と勘違いするんだ。それで猫に。どうしようか。
『もう...なんで忘れていたのかしら。ハーマイオニーには申し訳ないけど、もう間に合わないわよね』
クリスマス休暇があけたら、お見舞いに行こうと決めて心の中でたくさん謝った。