第37章 親子
『お待たせ、お父さま,お母さま』
「大丈夫、ルイスも今来たところよ」
揃って座っている二人を見て、私も空いている席に腰かける。
「最近、学校はどうだい?」
談笑しながらご飯を食べて、話が一段落したところでお父さまに聞かれる。
『うーん...そうね。相変わらず大変よ、課題が。授業もやっぱり学年が上がって難しくなってる。でも楽しいわ』
私は'スリザリンの継承者'や'秘密の部屋'や'石にされた生徒'などのことは言わないことにした。ただでさえ、心配をかけているのにそんなことを言ったら、もっと心配をかけることになるからだ。最後ににっこりした私に、お父さまとお母さまは顔を見合わせて、安心したように微笑んだ。
「新しくきた闇の魔術に対する防衛術の先生はどうなの?」
『...そうね。手紙にも書いたけど、ロックハート先生は少し困ったことをやらかすわね』
お母さまの問いに困ったように答える。あの先生はどう頑張ってもいいところを言えそうにない。
「あの、なんだったかしら?」
『ピクシー?』
「それよ。本当に大丈夫なのかしら。ピクシーにも振り回されるって...。ダンブルドア先生も苦労してるのね」
お母さまをフォローするように答えるとあっていたみたいだ。お母さまは手を頬に当てて困った顔をしている。それにお父さまが同意したように頷く。
『そうだわ!ミアとミアのご家族が来るの明日よね?クリスマスも重なってるからご馳走なのかしら?』
期待して二人を見ると、お父さまは微笑みかけてお母さまが答えてくれた。
「もちろんよ。ディニーとみんなと一緒にご馳走を作るわ!楽しみにしててね」
『楽しみだわ。今日のご飯ももちろんとっても美味しかったけれど、ご馳走はまた特別なものがあるわ!』
私の家では、複数の屋敷しもべ妖精がいるためお母さまは料理をする必要はない。ただしお母さまが料理をするのを好きなことと、私達がお母さまの作る料理を好きなためにお母さまも料理をしている。
『上手くいくといいわ...。ミアのご家族はどんな方かしら?』
寝る支度を全て済ませて、ベッドに入った私はドキドキしていた。しかしミアの憂いが晴らすためにも、私に出来ることはしようと決心をして眠りについた。