第4章 ダイアゴン横丁
あれから、オリバンダーさんに声をかけてお父さまとお母さまと共にイーロップへ来た。そこにはたくさんの梟がおり、どうしようか悩みながらお店に入っていった。
「好きに見て気に入った梟を飼おう、選んできなさい、ユウミ」
お父さまの言葉に奥まで入り、きょろきょろ梟たちを見ていると、ふと視線を感じそちらを見ると、黒いつぶらな瞳に綺麗な茶色の梟がいた。なぜか、この子だと思ったのだ。その子に近づくと、その梟もこちらに近づいてきてくれた。
「気に入った子はいたかしら、ユウミ?」
『私、この子がいいわ』
お母さまが近づいて聞いてくれたので、その梟を指さした。
「綺麗な子ね。店員さんこちらの子いただけるかしら?」
「かしこまりました。あれ?この子でいいんですか?」
お母さまが呼んで近づいてきた店員さんは、とても不思議そうな顔をしていた。
「どういうことかしら?」
「とても綺麗な子なのでみなさん見ていくんですが、この子なつきにくいんですよ。この前お客さんも噛まれてましたし、いいんですか?」
店員さんの言葉に少し驚いたが、なぜかこの子がいいと思った私はそれでも譲らずにいると、お母さまはにっこりして言った。
「娘がこれだけ気に入ってるから、この子にするわ」
店員さんはお母さまのその言葉に、その梟を籠から出した。その途端にその梟は私に近づき、肩にとまるとすりすりしてきたのだった。店員さんはその様子を見て驚いたようだが、安心したように手続きをしてくれた。
手続きが終わりもう一度籠にいれると、お父さまが仕事が入ったということで、お父さまは帰らなくては行けなくなってしまった。なので、梟をお父さまに預けて(いい子にしてるのよと声をかけるとホーと鳴いてくれた)私とお母さまはフローリッシュに向かった。