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愛される少女【HP】

第37章 親子


『準備できた?』

「えぇ、できたわ」

クレアが答えてくれて、ミアとエイミーは頷く。ミアはどことなく緊張した様子だ。私がミアの肩に優しく手を乗せると、ぎこちなくも笑ってくれた。

「行こう〜」

ホグワーツではクリスマス休暇に入る。ホグワーツのほとんどの生徒が帰る支度をしていた。グリフィンドール寮で残るのは、私の友達ではパーシーとフレッドとジョージ,ジニー,ロンのウィーズリー家とハリーとハーマイオニーだ。ウィーズリー家のみんなは両親と一緒にエジプトにいる兄であるビルを訪ねるよりホグワーツに残ることにしたらしい。スリザリン寮では前に耳にした通り、ドラコとグラッブとゴイルが残るみたいだ。

「...ユウミ!」

『先に行ってて』

後ろから呼び止められたため振り向くとそこにいたのは気まずそうにしているドラコ。私はクレア達に声をかけてからドラコとみんなから離れる。

「...その、すまなかった...」

ドラコは開口一番にそう言った。実はあのハロウィーン以降、私はドラコと話していなかったのだ。

『...本当はハーマイオニーに謝ってほしいのだけど、そこまでは求めないわ。今は私と前みたいに話したくてそう言ってるのよね。私は純血なのを誇るのはいいと思うわ。でも、マグル生まれの人たちを差別するのは違うと思うの。これは私の考えだからドラコに押し付ける気持ちはないわ。ただあなた自身で考えてほしい。ルシウスさんに教えられたことをそのまま鵜呑みにするのではなくて、ドラコ自身が』

「...わかった」

返事をしたドラコににっこり笑った私はドラコにハグをする。

『これで仲直り?でいいかしら?』

「あぁ、ありがとう」

頬をうっすら赤らめたドラコはそう言って私の背中に手をまわした。これでドラコの考えが変わるなんて大それたことは考えていないが、少しでも自分で考えてくれたらいいなと思う。

「仲直りしたの?」

『そうよ』

少しだけドラコと話してから、クレア達のところに戻ってきた私にクレアが問いかける。ハリーやハーマイオニー,ウィーズリーのみんなとは昨日のうちに話していた。

『ここでいいかしら?』

「いいんじゃない〜」

コンパートメントのひとつにみんなで入る。読書をしたり、ミーアと戯れたり各々で自由に過ごした。

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