第36章 休暇前
「ユウミには感謝してるんだ!」
感謝されるようなことをしてないので、私は首を傾げる。
「僕...実は図書館でアーニー達の言っていたこと聞いちゃったんだ。だからユウミの言ってたことも聞いてて、とても嬉しかったんだ。ありがとう」
『いいえ。全部本当のことだもの』
ハリーが聞いてたことに私は驚いたが、私はにっこりした。
「でも...僕あれにはうんざりだよ」
「もう少しで休暇よ。ほとんどの人が帰っちゃうからもう少しの辛抱だわ」
ハリーが心底うんざりしたような顔で呟いたのを慰めるようにハーマイオニーは言った。
『そういえば、ポリジュース薬は?』
最初はクレアがグリフィンドール寮にいるときなど、時間を見つけてお手伝いをしていた。しかし、最近はクレアがとても不安でたまらないらしく、行動を共にすることが多くなっていたので手伝えずにいたためどのようになっているのか知らないのだ。
「まもなく完成するわ」
『じゃあ、クリスマス休暇かしら?私は帰るからお手伝い出来そうにないわね』
「大丈夫よ、私達でマルフォイから聞き出すわ」
ハーマイオニーの言葉に、ハリーとロンも力強く頷く。
『じゃあ、安心ね』
私達は顔を見合わせてにっこり笑った。