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愛される少女【HP】

第36章 休暇前


私は翌朝、薬草学の授業が休講になったため図書館に来ていた。スプラウト先生がマンドレイクに靴下を履かせ、マフラーを巻く作業をしなければならないためだ。

それは厄介な作業で他の誰にも任せられないことと、特に今は、ミセス・ノリスやコリンを蘇生させるためにマンドレイクが一刻も早く育ってくれることが重要だった事が理由である。本を探して、本棚の中にいるとこんな声が聞こえてきた。

「だからさ、僕、ジャスティンに言ったんだ。自分の部屋に隠れてろって。つまりさ、もしポッターがあいつを次の餌食に狙ってるんだったら、しばらくは目立たないようにしてるのが一番いいんだよ。もちろんあいつ、うっかり自分がマグル出身だなんてポッターに漏らしちゃったから、いつかはこうなるんじゃないかって思ってたさ。ジャスティンのやつ、イートン校に入る予定だったなんてポッターに喋ってしまったんだ。そんなこと、スリザリンの継承者がうろついてるときに、言い振らすべきことじゃないよな?」

びっくりして覗くと、ハッフルパフの生徒が話しているみたいだ。今のは太った男の子が言った言葉だ。

「それじゃアーニー、あなた絶対にポッターだって思ってるの?」

金髪を三つ編みにした女の子がもどかしげに言った。それに太った子、もといアーニーは重々しく答える。

「ハンナ、彼は'パーセルマウス'だぜ。それは闇の魔法使いの'印'だってみんなが知ってる。ヘビと話ができるまともな魔法使いなんて、聞いたことがあるかい?スリザリン自身のことを、みんなが'蛇舌'って呼んでたくらいなんだ」

重苦しい囁きが起こり、アーニーは話し続けた。

「壁に書かれた言葉を覚えてるか?'継承者の敵よ、気をつけよ'ポッターは、フィルチ管理人と何かごたごたがあったんだ。そして気がつくと、フィルチの猫が襲われていた。あの1年生のクリービーは、クィディッチの試合でポッターが泥の中に倒れてるとき写真を撮りまくって、ポッターに嫌がられた。そして気がつくと、クリービーがやられていた」

「でも、ポッターっていい人に見えるけど」

金髪を三つ編みにした女の子、もといハンナは納得できない様子だ。

「それにほら、彼が'例のあの人'を消したのよ。そんなに悪人であるはずがないわ、どう?」

アーニーが意味ありげに声を落としたので、ハッフルパフ生はより近々と額を寄せ合わせる。

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