第35章 決闘クラブ
ハリーは、自分が何をしたのかわかっていないのだろう。ハリーは私とジャスティンを見てニッコリした。しかし、私にはジャスティンが険悪な顔で恐怖の表情を浮かべているのをありありと想像できた。
「いったい、何でからかうんだ?ユウミがいなかったら...」
ジャスティンはそう叫んだ。ハリーが何かを言おうとする前に、ジャスティンはくるりと背を向け怒って大広間から出て行く。セブルスは鋭く探るような目つきでハリーをみており、周りの生徒はヒソヒソと話していた。
そこへロンがハリーの近くに来て、ハリーを外に連れ出そうとする。そのあとをハーマイオニーが追いかけ、3人がドアを通り抜けるとき、人垣が割れ両側にサッとひいた。それを見届けてから私はヘビに近づく。
『ヘビさん、急に呼び出してごめんなさい。私と来てもらえるかしら?』
私はそう言って手を伸ばす。このヘビを消すのは申し訳ないと思ったからだ。ヘビはシューと鳴いて、私をじっと見ると、体をくねらせて私の腕に自分の体を巻き付かせる。
「マーレイ」
セブルスの咎めるような声が聞こえた。私はそちらを向いて答える。
『大丈夫です、スネイプ先生』
私はそのままドアに向かうと、先程の3人と同じようにスーっと人垣が割れた。それを物ともせずに歩いて、森の近くにくる。
『ヘビさん、ここで離されたら困るかしら?』
「シュー」
なんとなく困っているような鳴き方に私は、少し考えて思い付く。
『ルームメイトがいるから私の部屋には連れていけないわ。どうしようかしら』
ヘビはするすると滑り、自分から降りて森を見てシューと鳴く。
『私とまた会いたい...とかでは、まさかないわよね?』
半信半疑で問うとヘビはそうだというように鳴いた。
『また来るわ』
にっこり笑うとヘビもシューと鳴いてから森に入っていった。
『ふぅ...良かった』
私は動物に好かれやすいとは言っても、ヘビは人間になつかないと聞いていたため内心不安だったので安心してホッとする。今頃ハリーはロンとハーマイオニーからサラザール・スリザリンの話や、パーセルマウスのことを聞いているのだろう。
ヘビと接したことで私も避けられるかと思ったがそんなことはなく、みんな普通に話しかけてくれた。特にクレア達は私のことをすごく心配してくれたみたいで一言謝ったのだった。