第35章 決闘クラブ
『ミアとエイミーも大丈夫そうね』
「やめなさい!ストップ!」
ロックハート先生が叫ぶが、誰も聞くわけもなくセブルスが乗り出した。
「"フィニート・インカンテイタム(呪文終了)"!」
緑色がかった煙が、あたり一面に霧のように漂っているがセブルスの呪文でどうにかなったようだ。私が周りを見ると、ネビルとジャスティンは息を弾ませながら床に横たわっており、ロンは青白い顔をしたシューマスを抱きかかえて、謝っている。折れた杖が何かをしてしまったみたいだ。ハーマイオニーとスリザリンのミリセント・ブルストロードはまだ動いていて、ハーマイオニーはヘッドロックをかけられて痛みで叫んでいる。
『クレア、ちょっと行ってくるわ!』
ハリーが向かったのを見ながら私もハーマイオニーのもとへ向かう。ハリーがミリセントを引き離そうとしているが、ミリセントの方がハリーよりずっと身体が大きいため上手くいってないみたいだ。
『ミリセント!ミリセント!離してあげて』
私はミリセントに近づいて大きな声でそう言った。ミリセントは私に気づくと仕方なくと言った様子でハーマイオニーを離す。
『ありがとう、ミリセント』
笑ってお礼を言うと、何も言わずにそのままいなくなった。
「ありがとう、ユウミ」
ハリーが、まだ苦しそうなハーマイオニーの代わりにお礼を言う。それに首を横に振ってからハーマイオニーの背中を擦る。
「むしろ、非友好的な術の防ぎ方をお教えするほうがいいようですね」
大広間の真ん中に面喰らって突っ立ったままロックハート先生は言い、セブルスをチラリとみた。しかし、セブルスは顔を背ける。
「さて、誰か進んでモデルになる組はありますか?...ロングボトムとフィンチ-フレッチリー、どうですか?」
「ロックハート先生、それはまずい」
ロックハート先生の言葉に、セブルスが進み出た。
「ロングボトムは、簡単極まりない呪文でさえ惨事を引き起こす。フィンチ-フレッチリーの残骸を、マッチ箱に入れて医務室に運び込むようなことになるでしょうな」
ネビルの頬が濃いピンク色になる。
「マルフォイとポッターはどうかね?」
セブルスは口元を歪めて笑う。
「それは名案!」
ロックハート先生は、ハリーとドラコを大広間の真ん中に来るよう手招きして、他の生徒達は下がって二人のために空間を空けた。