第35章 決闘クラブ
「あれが、'武装解除の術'です。...ご覧の通り、私は杖を失ったわけです。...ああ、ミス・ブラウンありがとう。スネイプ先生、たしかに生徒にあの術を見せようとしたのは素晴らしいお考えです。しかし遠慮なく一言申し上げれば、先生が何をなさろうとしたかがあまりにも見え透いていましたね。それを止めようと思えば、いとも簡単だったでしょう。しかし生徒に見せたほうが、教育的に良いと思いましてね...」
そう続けたロックハート先生に、何言ってるんだと思ったのは私だけじゃないらしく3人も同じような顔をしていた。舞台の上にいるセブルスを見ると殺気だっている。さすがにそれには気づいたのかロックハート先生はこう言った。
「模範演技はこれで充分!これからみなさんのところへ下りていって、二人ずつ組にします。スネイプ先生、お手伝い願えますか」
舞台から下りたロックハート先生は、ネビルとハッフルパフ寮のジャスティン・フィンチ―フレッチリーを組ませた。セブルスは真っ先にハリーとロンのところへ向かっている。
「ユウミ、組もう?」
『えぇ、もちろんよ』
クレアに誘われて、私はクレアと組むことにする。ミアとエイミーは二人一緒にいるので二人が組んだみたいだ。
「相手と向き合って!」
舞台に戻ったロックハート先生が号令を掛けた。それに従い、私はクレアと向き合う。
「そして、礼!」
先程のセブルスと同じように頭を下げて礼をする。決してロックハート先生のようにはしない。
「杖を構えて!私が3つ数えたら、相手の武器を取り上げる術をかけなさい。...武器を取り上げるだけですよ。みなさんが事故を起こすのは嫌ですからね。1......2......3......」
私とクレアは同時に杖を肩の上に振り上げる。
『「"エクスペリアームス(武器よ去れ)"!」』
私はパシっとクレアの飛んできた杖を掴む。クレアも同じく私の杖を掴んでいる。
『ふふ、成功ね?』
「そうね」
私達は近づいて笑いあう。そして杖を交換した。
「武器を取り上げるだけだと言ったのに!」
慌てたようなロックハート先生の声に周りを見渡すと、みんな戦闘の真っ最中だった。
『その...クレアと組んで良かったわ』
「私もユウミとで良かった」
ミアとエイミーの姿を探すと、二人も周りを見渡して苦笑いしている。