第35章 決闘クラブ
あれから1週間後、クレア達と玄関ホールを歩いていると、掲示板の前にちょっとした人だかりができていて、貼り出されたばかりの羊皮紙を読んでいた。
「なにかしら?」
『行ってみましょう』
ちょうどハリー達と同じタイミングで私達は、掲示板に近寄った。
「'決闘クラブ'をはじめるんだって!今夜が第一回目だ。決闘の練習なら悪くないな。近々役に立つかも」
シェーマスが興奮したように言った。私は思わず頭に手をやる。行きたくない、そう思わずにはいられない。
「え?君、スリザリンの怪物が決闘なんかできると思ってるの?」
ロンはそんなことを言いながらも興味津々に掲示を見ている。
「どうする?」
「そうね、行っといたら役に立つかもしれないわね」
ミアの問いかけにクレアが答える。
『行った方がいいわ』
セブルスがいるから、役に立つことを教えてもらえるのも確かと心の中で呟く。
「そうだね〜」
みんなの意見が一致したところで、私達は決闘クラブに行くことにした。その夜の8時、私達は大広間にきていた。大広間に食事用の長いテーブルはなくなっており、金色の舞台が出現している。学校中のほとんどの生徒がそれぞれ杖を持ち、興奮した面持ちで集まっていた。
「誰が教えるのかしら?」
「確かフリットウィック先生って若いとき'決闘チャンピオン'だったって聞いたわ」
ミアが疑問を投げ掛けると、クレアがそう言う。私は二人の会話を聞きながらそうだったらいいのにと思っていた。そんなわけもなく、ロックハート先生が舞台に登場する。きらびやかに深紫色のローブを纏い、後ろには黒装束のセブルスを従えていた。
「げ〜」
『はぁ』
エイミーが正直な声をあげ、私はため息を溢す。
「みなさん、集まって。さあ、集まって。みなさん、私がよく見えますか?私の声が聞こえますか?結構、結構!」
ロックハート先生は観衆に手を振り、静かにするようにと呼び掛ける。
「ダンブルドア校長から、私がこの小さな'決闘クラブ'をはじめるお許しをいただきました。私自身が数え切れないほど経験してきたように、自らを護る必要が生じた万一の場合に備えて、みなさんをしっかり鍛え上げるためにです。...詳しくは、私の著書を読んでください」
ここでもしっかりと自分の本のことを言ってから、ロックハート先生は満面の笑みを振り撒く。