第34章 魔法薬学
『本当?それなら私も大丈夫って手紙来たから、クリスマス休暇にお会いすることでいいかしら?』
「ええ、大丈夫よ。ユウミありがとう」
ミアにお礼を言われたので私は微笑んだ。クリスマス休暇にミアの憂いが晴れるといいなと願って。
12月の2週目に入ると例年通り、ミネルバがクリスマス休暇中、学校に残る生徒の名前を調べに来た。クレア達に少し前に聞いたところ、みんな帰るとの返事をもらった。ハリー,ロン,ハーマイオニーの3人は残るみたいで、3人に疑われているドラコも残るみたいである。それを聞いた3人はますますドラコを怪しんでいた。
『どうするの?』
たまたまハーマイオニーと会った私は、ハリーとロンも交えて話し合っている。もちろんポリジュース薬のことだ。あと必要なものは、'バイコーンの角'と'毒ツルヘビの皮'である。それを手に入れることができるのは、ただ1ヶ所しかない。それはセブルスの個人の薬棚である。
「まだ、決まらないの。でもやはりあれしかないと思うわ!」
ハーマイオニーの言葉に私とハリー,ロンは顔を見合わせて首を傾げた。それがわかったのは木曜日の午後の、スリザリンとの合同の魔法薬学の授業が近づいてきた日のことだ。ハーマイオニーに集められた私達3人に向かってハーマイオニーはこう言った。
「必要なのは、気を逸らすことよ。そして私達のうち誰か一人がスネイプ先生の研究室に忍び込んで、必要なものをいただくの」
ハリーとロンは、不安げにしている。
『その役目は誰がするの?』
「私が実行犯になるのがいいと思うの。あなたたち2人は、今度問題を起こしたら退校処分でしょ。私なら前科がないし」
ハーマイオニーは平然とそう答えた。
「ユウミは?」
ロンがこちらを見てそう聞く。
「ユウミはスネイプ先生のお気に入りだしよさそうに見えるけど、スネイプ先生がそれほどユウミのことを気にかけているってことよ。バレてしまう可能性が高いわ」
私達は確かにと納得して頷く。そんな私達に向かってハーマイオニーはこう言った。
「だから、あなたたちは一騒ぎ起こして、ほんの五分くらいスネイプ先生を足止めしておいてくれたらそれでいいわ」
ハリーは力なく微笑んだ。上手くいく気がしないのだろう。私も同じ気持ちだ。ここの記憶がないからである。