第33章 真夜中のお客様
「ですから、ドビーめはハリー・ポッターをここに留まらせるわけにはいかないのです。歴史が繰り返されようとしているのですから。またしても'秘密の部屋'が開かれたのですから...」
そこまで言ってドビーはやっと気づいたみたいだ。何かをぶつける音がする。おそらくドビーが失言した自分をお仕置きをしているのだろう。
「ドビーは悪い子、とっても悪い子」
「それじゃ、'秘密の部屋'がほんとにあるんだね?そして...それが以前にも開かれたことがあるって言ったね?教えてよ、ドビー!だけど、僕はマグル出身じゃないのに...。その部屋がどうして僕にとって危険だというの?」
「ああ。どうぞもう聞かないでください。哀れなドビーめにもうお尋ねにならないで。闇の罠がここに仕掛けられています。それが起こるときハリー・ポッターはここにいてはいけないのです。家に帰って、ハリー・ポッター。家に帰って。ハリー・ポッターは、それに関わってはいけないのでございます。危険過ぎます」
ドビーがハリーのことを思っていることは十分伝わった。
「ドビー、いったい誰が?今度は誰が'部屋'を開いたの?以前に開けたのは誰だったの?」
そんなドビーをハリーは質問責めにする。しかし、それもそうだろう。こんなに気になることを言われたら気になるに決まっている。
「ドビーには言えません。言えないのでございます。ドビーは言ってはいけないのです!家に帰って、ハリー・ポッター、家に帰って!」
「僕は、どこにも帰らない!」
ハリーは激しい口調で言った。
「僕の親友の一人はマグル生まれだ。もし'部屋'が本当に開かれたのなら、彼女が真っ先にやられる...」
ハーマイオニーのことだとすぐにわかった。やっとここで私は出ていくことにする。
「なんと気高い!なんと勇敢な!でも、ハリー・ポッターはまず自分を助けなければいけない。そうしなければ...」
『ハリー』
悪いとは思ったが、ドビーを遮り出ていく。
「ユウミ?!」
ドビーもこちらを見て大きい目をさらに大きくさせて驚くが、何も言わなかった。
『色々聞きたいことはあるけど、とりあえず夜中にこんなに大声出してない方がいいと思うわ』
私の言葉にハリーは罰が悪そうに黙りこむ。そのとき、ドビーは突然凍りついたようになり、コウモリのような耳がピクピクした。