第31章 疑い
「ユウミ!」
微妙な空気が流れる中、私を呼ぶ声が聞こえた。
『クレア!』
「もう、ユウミ。何も言わないでいなくなるから、どこにいるか心配したのよ?」
クレアは、私に近づきながらそう言った。
『ごめんなさい、はぐれちゃったみたいで...。そのあとはハリー達といたの』
私がハリー達を見ると3人共頷く。
「そうだったのね。私はこれから夕食食べるけど、どうする?」
『一緒に行くわ。ハリー,ロン,ハーマイオニーまたね』
私はハリー達にそう告げて別れた。
『クレア。鞄を置いてきていいかしら?』
「ええ、もちろんよ。一緒に行くわ」
クレアも着いてきてくれるというので、私達は一旦部屋に戻った。
「ねぇ、ユウミ」
『どうしたの?』
何かを言いにくそうにしているクレア。
「...ハリーは本当に違うの?」
『もちろん。私もあのとき一緒にいたもの』
私は即答する。
「でも途中からよね?」
クレアはちょっと疑っているようだ。
『そうだけど...ロンもハーマイオニーもいたわ。それにハリーはマグル生まれのことを悪く思ってないわ』
「...ごめんなさい、変なことを言ったわ」
『大丈夫よ、クレア。不安なのよね。安心させてあげられるかはわからないけど、私と一緒に行動する?私は一応純血だから』
不安そうなクレアを安心させるようにそう提案すると、クレアはコクリと頷く。
『クレアと一緒にいれて嬉しいわ』
私がにっこり笑うと、クレアもぎこちないながらも笑ってくれた。
夜、私が部屋を出て談話室にいくと、パーシーから離れた位置にハリー達を発見した。
『なにしてるの?』
「ユウミ!」
側によって話しかける。するとハリーが一番に私に気づく。
「呪文学の宿題をやってるんだ」
『そうなの。ありがとう、ハーマイオニー』
ハリーが私の質問に答えてくれて、ハーマイオニーが私が座れるようにスペースを開けてくれた。ロンはまだあんまり機嫌がよくないようだ。ロンが何気なく杖に手を伸ばしたとき、杖が発火して羊皮紙が燃え出してしまう。それを見たロンは教科書を音を立てて閉めてしまった。そして驚いたことに、ハーマイオニーもロンと同じことをした。
「だけど、いったい何者かしら?」
ハーマイオニーはそれまでの会話の続きのように自然にそう言う。