第28章 最悪な言葉
「いったいどういう意味なの?もちろん酷い事だってのはわかるけど...」
「そうだわ。私もどういう意味だか知らない。ものすごく失礼だとは分かったけど...」
ハリーとハーマイオニーは首を傾げる。
「あいつの思いつく限り最悪の侮辱の言葉だ」
それにロンが答える。まだ辛そうなので私はロンの隣に座り直して、背中を擦ってあげる。そして代わりに説明することにした。
『ロン、私が説明するわ。...'穢れた血'という言葉は魔法界の中で、マグル生まれの者に対する最悪の侮辱の言葉よ。マルフォイ家のように純血と言われ、自分たちが誰よりも優れていると思っている人たちがそう言うの。でも、もちろん魔法界の純血のみんながそういう訳じゃないのよ。私もそうだし、ネビルやロン達も純血だけどそんな事思ったことないわ』
「何が血だ!第一俺達のハーマイオニーが使えねえ呪文はひとっつもねえぞ」
『その通りよ。だから気にすることないわ』
ハグリッドと私の言葉にハーマイオニーは頬を赤く染めた。
「まったくほんとあいつら狂ってるよ。今時魔法使いはほとんど混血だぜ?もしマグルと結婚してなきゃ今ごろ魔法使いなんてとっくに絶滅してるよ」
ロンはそう言って嫌そうな顔をした。しかし、やはりまだ治まらないのかバケツになめくじを吐き出す。
「うーむ、そりゃロンが呪いをかけたくなるのも無理はねぇ。だけんど逆噴射してて逆に良かったかもしんねぇ。ルシウス・マルフォイが学校に乗り込んで面倒ごとが起こっとったかもしれん。やつの息子に呪いがかけちまってたらな。少なくともお前さんは面倒に巻き込まれんですんだっちゅうことだ」
ハグリッドの言葉にハリーは何かを言いたそうにしていたが、話が変わってしまう。
「ところでハリー、お前さんがサイン入りの写真を配っとるって話だが俺にはくれんのか?」
「僕そんなの配ってない!まだロックハートがそんなこと言いふらして...」
ハリーはハグリッドに怒鳴った。それを見てハグリッドは笑う。
「からかっただけだ」
ハグリッドはポンとハリーの背中を叩いたが、なにせ力が強いので、その衝撃でハリーは机につんのめってしまった。
『大丈夫、ハリー?』
「うん、大丈夫だよ」
つんのめってしまったハリーに声をかけると、ハリーは笑った。それを見て私も微笑み返す。