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愛される少女【HP】

第28章 最悪な言葉


ハリーはロックハート先生が見えなくなると、ロンを茂みの中から引っ張り出しハグリッドの小屋の戸口まで連れて行くと慌しく戸を叩いた。ハグリッドはすぐに出て来たが、とても不機嫌な顔をしている。しかし来たのがハリー達だと知った途端にパッと顔を輝かせた。ハグリッドは私たちを中に通してくれながらこう言った。

「いつ来るんかと待っとった。またロックハート先生が来たんかと思ったわい」

ハグリッドはロンにバケツを渡して、全部吐いちまえ,自然に止まるまで待つしかねぇと言う。どうやら専門の道具がないとどうしようもないらしい。

「ロックハートは何の用だったの?」

ハリーが聞くと、ハグリッドは唸るようにして答えた。

「井戸の中から水魔を追っ払う方法を俺に教えようとしてな」

ハグリッドは相当憤慨しているみたいだ。さらに言葉を続ける。

「まるで俺が知らんとでもいうようにな。その上、自分が泣き妖怪とか何とかを追っ払った話をさんざんぶち上げとった。やっこさんの言っとることが一つでもほんとだったら、俺はへそで茶を沸かしてみせるわい」

ホグワーツの先生を批判するなんて全くらしくない事をするのでハリー達は驚いてハグリッドを見つめる。それに反論するのはもちろんハーマイオニーだ。

「それって少し偏見じゃないかしら。ダンブルドア先生は...あの先生が一番適任だとお考えになったんだし」

「いーや、誰もおらんかっただけだ」

しかしハグリッドは、ハーマイオニーの反論をすぐに切り捨てた。

「他にだーれもな。年々、闇の魔術に対する防衛術の教師を探すのが難しくなっちょる。誰もやりたがらん。ここ数年、長続きしたやつがおらんかったからな、呪われとるとでも思っておるんだろう」

ハーマイオニーはそれでもなお、反論したそうにしていたが私が抑える。

「それで、お前さんは誰を呪うつもりだった?」

「マルフォイだよ。あいつハーマイオニーに...。よく分かんないけどひどい事言おうとしてた」

ハグリッドの問いかけにハリーが答えた。しかしマグルとして育ったハリーにはわからないらしく、答えに詰まり少し困った顔になる。

「マルフォイのやつハーマイオニーに'穢れた血'って言おうとしたんだ!」

そんなハリーをフォローするようにロンが、そう叫んだ。それを聞いたハグリッドは息を飲む。

「なんと!そんな酷いことを!」

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