第28章 最悪な言葉
ロンとフレッド,ジョージを見て言ったドラコの言葉にスリザリンチームは大笑いする。それを見たハーマイオニーは一歩前に出てこう言い放つ。
「少なくとも、グリフィンドールの選手は誰1人としてお金で選ばれたりしていないわ。こっちは純粋に才能で選ばれたのよ」
ドラコの顔が歪む。そしてハーマイオニーの前に来て言った。
「誰もお前の意見なんか求めていない、この穢れ…」
『ドラコ!!私はその言葉嫌いって言ったはずよ。大切な友達のハーマイオニーに言うのは許さないわ』
ドラコの言葉を遮り、私はそう叫んだ。グリフィンドールチームのみんなも、ドラコが何を言おうとしたかを察したみたいで怒りを露にしている。ドラコは罰が悪そうな顔をして黙りこんだ。それに変わりフリントがこっちに突っかかって来ようとするが、その前にロンがドラコに杖を向けた。
「マルフォイ、思い知れ!」
ドラコに向かっていくはずの魔法は、壊れているロンの杖では上手くいくわけもなく、ロンの方に逆噴射する。それを受けたロンは芝生の上に尻もちついた。
「ロン!ロン!大丈夫?」
ハーマイオニーが悲鳴をあげる。そして、気持ち悪そうにしたロンはナメクジを吐き出した。その様子を見て大笑いするスリザリンチーム。
「ハグリッドのところに連れて行こう。ハグリッドならなんとかしてくれるかもしれない」
ハリーはそう言ってロンに肩を貸し、ハーマイオニーもロンを支える。私はどうしようか悩んだが、二人が心配だったのでついていくことにした。ハグリッドの小屋の近くまで来ると、ある人を見つける。
『...ロックハート先生だわ』
「隠れよう!こっちに隠れて」
私がそう言うとすぐに反応したハリーはそう言って脇の茂みにロンを引っ張り込んだ。
「どうして隠れるのよ?」
ハーマイオニーはロックハート先生から隠れる意味がわからないという顔をするが、渋々という感じで従ってくれた。
「やり方さえ判っていれば簡単な事ですよ。助けて欲しい事があればいつでも私の所にいらっしゃい!私の著書を一冊進呈しましょう。まだ持っていないとは驚きましたね。今夜サインをしてこちらに送りますよ。ではお暇しましょう!」
ロックハート先生はハグリッドにこう言い、城のほうにさっそうと歩き去って行く。ハリーはロックハート先生の姿が見えなくなるまでそこでやりすごした。