第28章 最悪な言葉
この日はグリフィンドール寮のクィディッチの練習が始まる日だ。要するに、ハーマイオニーが心ない言葉で傷つく日である。私はそれだけは阻止しようと思っていた。そのため私は今、クィディッチ競技場に向かっているところだ。
『クィディッチの競技場ってこっちじゃなかったかしら』
しかし、私は迷っていた。自分を信じて歩いているとやっと着くことができた。中に入りキョロキョロすると、ロンとハーマイオニーがいたためそちらに行く。
『ロン!ハーマイオニー!』
「あら、ユウミ!早いわね」
『散歩していて、グリフィンドールの練習が見えたから見にきたの』
ハーマイオニーと少し会話をしてから、空いていたハーマイオニーの隣に腰かける。しばらくすると
「あれ、スリザリンじゃない?」
ハーマイオニーの言葉にさっと顔をあげると、グリフィンドールとスリザリンのクィディッチの選手が向かい合っていた。
「なんか嫌な雰囲気ね」
「行ってみよう」
ハーマイオニーとロンと一緒に少し駆け足で行った。グリフィンドールチームのキャプテンであるウッドはフリントから受け取った紙を読み上げる。
「'私、スネイプ教授はスリザリンが新しいシーカーを教育する必要を認め、競技場の使用を許可する'新しいシーカー?誰だ?」
ウッドの言葉にスリザリンチームの方からドラコが出てくる。
「マルフォイ?」
『ドラコ!新しくシーカーになったのね、おめでとう!』
ハリーが訝しげに問いかける。しかしドラコが答える前に私は笑顔でそういった。やはり幼馴染のドラコがシーカーになったと聞いて嬉しくなったためである。
「ありがとう、ユウミ」
頬をうっすらと赤らめてそう返事したドラコ。そのドラコはハリーの方を向いてこう言った。
「その通りだ、ポッター。新しいのはそれだけじゃない」
そう言ったドラコは箒を見せつけるようにする。みんなの視線がスリザリンチームの箒に向き、それを見たロンが驚いたように呟く。
「ニンバス2001だ。どこで手にいれた?」
「ドラコの父上がくれた」
それに自慢気に答えたのはフリント。
「どこかの親と違って父上は良いものが買えるからね。だけど、グリフィンドール・チームも資金集めして新しい箒を買えばいい。クリーンスイープ5号を慈善事業の競売にかければ、博物館が買いを入れるだろうよ」