第27章 ナルシスト
ロックハート先生はミニテストを行なうと言ってテストペーパーを配る。それを聞いて授業はまともなのかしらと思った。
「時間は30分です。よーい、はじめ!」
その合図と共にテストペーパーを見る。問題...いや書かれた質問に目を通して驚いた。'ロックハートの好きな色は何か、密かな大望は何か'と言ったようなロックハート先生に関する事についての質問がずっと続いていたのだ。
『(やっぱりそうよね、まともなわけないわよね)』
私は適当に空欄を埋めて、提出した。みんなが提出をし終わり、それをロックハート先生はパラパラと見る。
「私の好きな色はライラック色ですよ。ほとんどの人が覚えていないらしい...だが、Ms.ハーマイオニー・グレンジャーはどこにいますか?」
その声に、ハーマイオニーが手を挙げる。その手は震えている。
「素晴らしい!満点です!グリフィンドールに10点!」
ロックハート先生はそう言った。ハーマイオニーはとても嬉しそうな顔だ。
「では授業ですが...気をつけて。魔法界の中で最も穢れた生き物と戦う術を授けるのが私の役目です」
ロックハート先生はそう言って、赤い布を被せられたものを取りだし机に置く。それはガタガタと揺れている。
「君たちはこれまでにない恐ろしいめに合うことでしょう。だが私がいる限り、君たちは安全です。どうか叫ばないようにお願いしたい。こいつらが暴れるから」
そう言って布を外したロックハート。みんなどんな恐ろしい生き物が出てくるのかと見ていたが出てきたのは籠いっぱいにいるピクシーだった。
「コーンウォール地方のピクシー?」
シェーマスがこの教室にいるみんなを代表するかのようにそう言った。みんなハハハと笑っている。
「笑うのは今のうちだ、フィネガン君。だがピクシーは厄介で危険な小悪魔ですぞ。さぁどう扱うかな?お手並み拝見!」
ロックハート先生はそう言うなり、籠のドアを開けた。ピクシーはそこから飛び出し、瞬く間に教室はパニックになる。
「やめて!」
「キャー」
隣を見るとクレア達がいたずらされていた。
『クレア!ミア!エイミー!』
私は慌てて、3人からピクシーを掴むと引き離した。
『もう、ダメよ』
そう言ってピクシーと目を合わせると少しシュンとしたピクシー。
『(ちょっと、可愛いかもしれない)』