第26章 空飛ぶ車
『...そうだったのね。お話してくれてありがとう、ミア。お父さまがどうしてそんなことをおっしゃったのかわかるかしら?』
「たぶん...お父様、貴族のパーティーに出ると見下されるの。それが嫌なんだと思う。でも私...今のままでも幸せよ。お父様とお母様に囲まれて。お父様はそれだけじゃ嫌なのかもしれないわ...」
私はどうすればいいかを考える。もちろんドラコと親しくなれるようにしてあげるのはいいのだが、それではミアの気持ちがどこにも行けなくなって辛くなってしまう。それにお父さまのことを夏休み前には'パパ'と呼んでいたのに今は'お父様'に変わっている。必死に最善はなんなのかを考えるが思い付かない。だから私は頼ることにした。
『ミア?一度、私の両親とミアの両親がお話してみるのがいいと思うの。お父さまとお母さまに聞いてみないとわからないけど、今度お会いすること出来るかしら?』
「ユウミ...。でもそれユウミのお父様たちに迷惑がかかるわ...」
『大丈夫よ?私の大事な友達のことだもの。力になってくれるわ』
不安そうなミアに、にっこり笑ってそう言うとミアも頷いた。なので後で手紙で聞いてみることにして、私たちは寮に戻ることにする。寮に戻ると談話室は騒がしかった。それを不思議に思いながら、部屋に戻る。
『談話室が騒がしかったけど、なにかあったの?』
「ハリーとロンが〜空飛ぶ車で来たって〜大騒ぎだよ〜」
私の質問にはエイミーが答えてくれた。グリフィンドールでは、あれは批判の的にならないのかと驚いた。エイミーによるとハリーもロンも称えて迎えられたらしい。今日はもう眠いので寝ようという話になり、それぞれみんな、ベッドに入った。
『(ジニーはもうリドルの日記を使っているのよね。ジニーはこの1年辛い思いをするわ。見捨ててるのと同じことよね...。せめて少しでも楽になれるような何かないかしら。図書館で調べてみよう。それにリドルの日記のこともあるけど、ミアのことも心配だわ。なんとかクリスマス休暇には会えるといいのだけれど。それで解決出来たら嬉しいけど、そう上手くいくかしら)』
そんなことを考えていた。そういえば、夏休みの間もミーアにあまりかまってあげられなかったから、お父さまたちに手紙を出すときにたくさんかまおう。そんなことを考えて、眠りについた。