第26章 空飛ぶ車
大広間では、組分け帽子による組分けが行われている。1年生はとても緊張している様子で、私もそうだったなと思いながら微笑ましく見ていた。
'ハリー・ポッターとその友達が空飛ぶ車で墜落して、退校処分だって'
大広間につきしばらくしてこの噂が広まりつつあった。隣にいるハーマイオニーはとても心配している様子だったが、その噂が耳に入るとふつふつと怒りが沸いてきているようだ。
今、大広間にセブルスはいない。おそらくハリーとロンのところへ行っているのだろう。そう思っていたらそのセブルスが教員席に来て、ミネルバに耳打ちをする。そしてダンブルドア先生も伴い、3人で出ていってしまった。
「どうしたのかしら?」
『わからないわ。でもなにかあったのかもしれないわね』
私の、ハーマイオニーとは反対の隣に座っているクレアが私にそう聞いてきたため答える。ジニーも無事にグリフィンドールに組分けされ、今は寮に戻っているところだ。
「ねぇ、ユウミ」
『ミア?どうしたの?』
「...少しお話いいかしら?」
『えぇ、もちろん』
ミアは私に何か話があるみたいだ。真剣な顔をしている。なんだろうか。クレアとエイミーには先に行ってもらい、私たちは空き教室に入った。
『どうしたの?』
「...ユウミはマルフォイさんと仲いいわよね?」
『ドラコのこと?幼馴染だからそうね』
「こんなこと頼みたくないのだけど...マルフォイさんと仲良くなりたいの!だからユウミにお願いしたいの...」
言いづらそうにミアはそう言った。私はびっくりしたが何か深い事情があるみたいなので、冷静さを保ちこう聞いた。
『どうかしたの?もちろん協力するわ。でもミアが仲良くなりたいと思ってるようには見えないの。私で良かったら話聞くわよ?』
黙りこんでしまったミア。しばらくしても黙っているので余計なお世話だったかと思って口を開こうとした時、ミアが口を開いた。
「私...夏休みにお父様とお話したの...。でもお父様はわかってくださらなかった...。それに私がユウミと仲良いのを知るとマルフォイさんとの間を取り持ってもらいなさいって言ったわ。私...嫌だと思ったわ、でもお父様に嫌われたくなくて言えなかったの!」
ミアは表情を暗くさせて、最後は辛そうにそう叫んだ。