第9章 お手紙
『あの…守沢先輩…?どうかしましたか…?』
千秋「…!!す、すまない!!」
千秋は若葉から離れた
『いえ…何かありましたか?』
千秋「いや、何でもない!気にしないでくれ!!」
『そうですか…?』
千秋「あぁ!もう遅い!今日は帰ろう!」
『そうですね。無理は禁物ですし』
2人は帰る準備をして部屋を出た
『あ』
真緒「よっ…って守沢先輩も一緒だったんですね」
『うん』
千秋「おぉ衣更!お前も今帰りか?」
真緒「はい。生徒会の仕事忙しくって…」
千秋「衣更も偉いな!よぉし、抱きしめてやろう…☆」
真緒「いや、遠慮します…。よし、帰るか」
『うん。じゃあ守沢先輩、また明日』
千秋「あぁ!気をつけろよ!」
千秋は2人が遠くなるまで手を振った
千秋「どうしたんだ俺は…白雪を急に抱きしめたくなった…」
いつもとは違う感情…
胸が締め付けられて苦しい
あの笑顔を見ていたい
千秋「まさか…俺は…!!俺は…!!病気なのか!!?」
1人焦る千秋だった
―――――
真緒「守沢先輩に何かされなかったか?」
『別に?抱きしめられただけだよ?』
真緒「されてんじゃねぇか…」
『守沢先輩優しくて努力家ですごい人だね~』
真緒「お前な…気をつけろよ、一応女なんだから」
『あ、そっか』
真緒「何で忘れてんだよ」
『いやぁ…役に入ってるのと同じ感覚でさ…。僕は若葉って思うと忘れちゃうんだよね』
真緒「ったく…気をつけろよ…。お前昔誘拐されそうになったことだってあるんだから…」
『あぁー…あったねぇ…』
あれは小学校の頃
まーくんとりっちゃんと遊ぶ約束をしていてまーくんの家に向かう途中
いつもの道を歩いていると知らない男性に声をかけられた
アイドル活動をしていたこともあり、少しは顔が知れていたが…
『確か…うちのお母さんが入院して…呼んできてって頼まれたんだーって言われたんだよねぇ…。そんで私が来なくて心配になった2人が迎えに来てくれて…』
真緒「お前誰だーって凛月と一緒に追い掛け回したんだよな」
『ねー』
真緒「ホント昔っから危なっかしいよなぁ」
『そんなことないよ!』