第14章 対決
『だから、ありがとう、りっちゃん』
凛月「ふふ、ならいいんだけど」
バタンッ!!
章臣「若葉!」
『あ、あきやん…』
凛月「椚先生…」
章臣「歌ったんですか……!?ステージの上で…!」
『うん、歌えたよ、ちゃんと、最後まで』
章臣「……よかった…」
『ありがとう、あきやん』
章臣「…あきやんって呼ばないでください」
『いきなりの塩対応…』
章臣「ですが……問題行動ですよ、こんなこと……よかったですけど……」
陣「白雪が関わると情緒不安定だな」
『ふふっ、気をつけるね』
章臣「えぇ、そうしてください」
―――――
晃牙「チッ、うるせぇな生徒会…」
晃牙は生徒会から逃げて音楽室へ逃げ込んでいた
晃牙「はぁ……」
零「戻ったのか?わんこや」
晃牙「吸血鬼ヤロ~……」
零「まったく、あの子に勝負を挑むとは……チャレンジャーじゃのう…」
晃牙「あいつ…何者だよ。知ってんだろ」
零「幼馴染じゃよ」
晃牙「ただの幼馴染じゃねぇだろ。あの歌…」
零「ククク……そうじゃのう……」
晃牙「アイドル…なのか?」
零「あの歌を聞けばわかるじゃろう、わんこなら」
晃牙「…………」
零「あの子は……翼と声を取られた可哀想な天使じゃ」
晃牙「翼と……声……?」
零「我輩も聞いた話じゃ。詳しくは知らんが……」
―――――
歌番組の収録に来ていた白雪
ドラマ、歌番組、バラエティ……
日々の仕事に疲労感は溜まっていくばかり
白雪の歌唱の番
マイクを持ってカメラの前に立つ
イントロが流れ出し、息を吸い込んだ
しかし声が出ない
曲が止まり、やり直すためにまた最初から曲がかかる
歌えない
過度のストレスにより「失声症」が発症してしまった――
―――――
晃牙「……」
零「ステージに上がるだけでも怖かったと思うぞい。よく頑張ったのう……」
晃牙「……っ!」
晃牙は音楽室を飛び出した
零「若いのう…♪」