第9章 お手紙
窓を覗くと千秋が1人でダンスの練習を行っていた
『守沢先輩…』
若葉は防音室の扉を開けた
『守沢先輩』
千秋「おぉっ!?白雪か!びっくりしたぞ!」
『驚かせてすみません…。防音室なのでノックしても気づかないと思って…』
千秋「それもそうだな!今ちょうど休憩しようかと思ってたんだ!」
『1人で練習してたんですか?』
千秋「あぁ。高峯たちは帰ったぞ」
『守沢先輩は帰らないんですか?』
千秋「流星隊のリーダーの俺が…一番頑張らねばいけないからな!」
『…守沢先輩は努力家ですね』
千秋「ん?そうか?」
『はい。さすが流星隊のリーダーですね。でも…』
千秋「?」
『リーダーでも時には休むことも大事です。だから僕のことも頼ってください。僕にできること、あると思うので…』
千秋「白雪…」
『あ、それとさっきのダンスのステップ、少し違います』
千秋「なにっ!?」
『少しです。次のステップに行くのが辛そうなので。ここをこうして…こうです』
千秋「おぉ~!なるほど!」
『こう動けば次のステップが楽になります』
千秋「白雪はすごいな!確かに楽だぞ!」
『ふふ、よかったです!』
千秋「白雪は何でもできるんだな!」
『いえ、そんなことは…』
千秋「踊りも上手くて勉強も運動もできて…衣装まで作れて…白雪は偉いな!」
『そんな…まだまだですよ…』
千秋「もっと胸を張っていいんだぞ!誰にでもできることではないからな」
千秋はそう言って若葉の頭を撫でた
『…はい、ありがとうございます!』
千秋「…!!」
ギュ…
『…!』
若葉の頭を自分の胸元に引き寄せた千秋
『守沢先輩……?』