第8章 流星隊
『さてと…僕も帰らなきゃ…』
表の校門から下校するのは危険と佐賀美に言われた
若葉は裏口に回り、学院を出た
『大回りして帰ろうかな。今帰れば暗くなる前に帰れるし…』
大回りして学院の横を通る
『……あれ…?校門の前に誰かいる……っ!?』
あの格好…佐賀美が見せてくれたカメラの映像と同じ…!
『……っ!!』
若葉は口を手で塞いで陰に隠れた
心臓がうるさく音を立てる
うまく息ができずに肩が震える
『(どうしよう…!!早く帰らなきゃ…!!でも…足が…っ)』
震えが止まらない…!
ガサッ…
『…!!!』
晃牙「何してんだテメー」
『…お、大神く…』
晃牙「な、何で泣いてんだ…!?」
晃牙はポケットからティッシュを取り出し、乱暴に涙を拭いた
『何で…ここに…』
晃牙「帰ろうと思って校門行ったら誰か居やがったから…裏門から出たんだよ。そしたら嗅いだことある匂いがして…」
嗅いだことある匂いって…どんだけ嗅覚優れてるの…
『そっかぁ…』
晃牙「で、テメーは何で泣いてたんだよ」
『あ、いや、何でもない…』
若葉が校門の方を見ると誰もいなくなっていた
『(帰った…?)』
晃牙「どうしたんだよ」
『あ、ううん、大丈夫。ありがとうね、大神くん』
ニコッと笑うと顔を真っ赤にした
晃牙「べっ、別にテメーのためじゃねぇよ////!!!」
晃牙はそう言って帰って行った
『実は優しい人なんだなぁ…』
若葉は辺りを気にしながら家路に着いた