第2章 転校初日
アイドルをやっていた頃、雑誌の撮影を何度もしたことがある
仲良しなのだが連絡をしばらくとっていなかった
『(元気そうでよかった…)』
「あら可愛い子!!アタシ鳴上嵐って言うの。お姉ちゃんって呼んでくれて構わないわよォ~♪」
そう言って若葉を抱きしめる嵐
嵐「(あら…?)」
『白雪若葉です。よろしくお願いします』
嵐「フフッ、小さくてふわふわで可愛い~…♪」
『あ、あの鳴上くん…』
嵐「お、ね、え、ちゃ、ん♪」
『お姉ちゃん…?』
嵐「可愛い~!」
『わわわっ』
抱きしめる力が強くなる
「おい~、どした~?」
「ま~くん…眠いんだけど…」
嵐「あら、真緒ちゃんに凛月ちゃん。可愛い子が挨拶に来てくれたのよォ~」
『え…』
ちょっと待て
今何て言った?
真緒ちゃん…凛月ちゃん…?
「転校生か。そう言えば来るって言ってたっけ。俺は衣更真緒。こっちの眠そうなのは朔間凛月。よろしくな!」
『ぼ、僕は白雪若葉です…よ、よろしく…』
きっと引きつった笑顔だった
いきなりのことで頭が追いつかない
見たことあるなと思ったけど…
この学院に幼馴染がいるなんて…!!
真緒「あれ…お前…」
『(ギクッ…)』
凛月「ん~…?」
凛月の顔が近づく
『!!』
真緒「こらこら、近いって。ほら、行くぞ。俺たち提出物届けにいくんだから」
凛月「え~…めんどくさい…」
2人は行ってしまった
『(とりあえず助かった…)』
嵐「ほら晃牙ちゃんも挨拶したらァ?」
「あァ!?何で俺様が挨拶しなきゃなんねぇんだよ!!」
嵐「んもう、いちいちうるさい子ねェ…。あの子は大神晃牙ちゃん。いつもあんな感じで大声出すのよ、やんなっちゃう」
『へぇ…』
2年B組での自己紹介も終わり、校内を歩いていた
どこもかしこも広くて迷子になってしまいそう
『ここは…裏庭…?』
広い庭には綺麗な花々が咲き誇り、甘い香りが漂う
『ここ…素敵…』
日の光りが柔らかく照らし、日なたぼっこには最適だ
『ここで静かに読書でもいいなぁ』
ゆっくり花を見て歩いていた
グイッ…!
『!!』