第7章 シンデレラ
『何…これ…』
学院の前には大量の生徒が
そこにはサイン色紙を持った者や携帯片手に顔を赤らめる者も
『(これ…やばい気がする…)』
「あ!いた!」
「昨日のシンデレラ役の人だ!」
「かっこいい~!」
『ひ、ひえぇ…!』
若葉はカバンを握り締めて学院の中まで走った
普通科の生徒や他校の生徒は普段は侵入禁止になっている
中までは追ってこれない
と思ったけど…
「サインください!」
「次の公演はいつなんですか?」
『あ、あの…えーっと…!』
人から囲まれて動けない…!!
『(どうしよう…このままじゃ…!)』
グイッ
『わっ…』
泉「ほら行くよ」
『瀬名先輩…!?』
泉に腕を掴まれて野次馬の中を抜けた
そしてそのまま下駄箱へ
『ありがとうございます…瀬名先輩…!助かりました…!』
泉「別にぃ、あんたのためじゃないし。俺が通るのに邪魔だっただけだから」
『それでも…助かりました』
泉「!!…あっそ」
泉はそう言って去ってしまった
『ホントはすごい優しいんだから…』
昔から
『おはよう』
北斗「あぁ。おはよう」
真「おはよー!昨日の若葉くん綺麗だったよ~!」
スバル「すっごいキラキラだった!」
『ありがとう2人とも!』
真「そう言えば校門前にすごい人だかりができてたね!それに写真も…」
『人だかりは瀬名先輩におかげで抜けれたんだ…って、写真ってどういうこと?』
真「昨日の若葉くんのドレス姿の写真がいろいろなところで出回ってるんだよ」
『な、な…!!』
スバル「すごいね!人気者だ!」
『う、嬉しくないいいい…』
北斗「そんなに落ち込むな。すぐに終わるさ」
真「そうそう、少しの辛抱だよ!」
『うぅ…』