第7章 シンデレラ
渉「おや、顔が真っ赤ですね」
『な、何してるんですか…///!!ぼ、僕は男で…!!』
渉「いいえ。違いますね?」
『…!!』
渉「あなたは男性ではないでしょう?」
『な、何で…』
渉「最初にあなたの髪を触ったとき…あなたの髪の毛はウィッグだと気づきました。そして体格などで判断いたしました」
『そんな最初のときから…』
渉「私はいろいろなウィッグを使って触ってきましたので、地毛かどうかは触れば分かりますからね」
『…あの…このことは…』
渉「あなたが秘密にして欲しいのならそうしますよ」
『ありがとうございます!』
渉「さぁ、そろそろ生徒たちも諦めたことでしょう」
『そうですね。ありがとうございました!』
若葉はドレスを掴んで教室を出た
渉「私としたことが……彼女に引き込まれてしまうところでした…」
―――――
無事に演劇部の部室にたどり着いた
『ふぅ、ウィッグの上にウィッグってあっつい…』
着替え終わって汗を拭く
『(にしても…楽しかったなぁ…)』
昔出たミュージカルにも似た高揚感
もう戻ることはできない…あの頃のような
ステージで演じていた…歌っていた…
若葉は息を吸い込んだ
『〜♪〜♪〜♪〜』
懐かしいメロディ
よくライブの最後で歌ったっけ
北斗「綺麗な歌だな」
『わぁっ!!』
部室の入り口には北斗が立っていた
『や、あの、これは、その…』
北斗「綺麗な歌だったぞ。今までに聞いたことがないくらいに」
『い、言いすぎだよ…』
北斗「いや、本当のことだ。とても綺麗だった」
『あ、ありがとう…』
北斗「レッスンでも受けていたのか?」
『まぁ…そんなところかな』
北斗「そうか。お前のプロデュースが楽しみだな」
『…うん。絶対にあなたたちを光らせてみせるよ』
北斗「頼もしいな」
北斗は微笑んだ
北斗「さっきの歌…どこかで聞いたことがあるような…」
『あ、えっと、どこかで流れてたやつかもな〜…』