第7章 シンデレラ
『(あ…この感じ…懐かしい…ドキドキしてる…あ、やば、泣きそう…)』
4人は観客にお辞儀をしてステージから去った
渉「お疲れ様でしたみなさん。協力してくれた若葉さんもありがとうございました…!」
『…………』
北斗「若葉?どうした?」
『あっ…ごめん…。ボーっとしてた…。終わっちゃったんだぁって…』
友也「あの…若葉先輩…俺…途中でセリフ飛んじゃって…すみませんでした…!!」
『舞台ではそういうこともあるよ。気にしない気にしない!』
友也「はい…っ(ドレス姿の若葉先輩があまりにも綺麗で飛んだなんて…言えないけど)」
『じゃあ着替えてくるね』
北斗「あぁ」
若葉はドレスのまま講堂を出た
すると講堂から出た他校の生徒たちが若葉に気づいた
「あ!シンデレラ役の人だ!」
「綺麗~!」
「サインくださーいっ」
『ひ、ひえぇ…!』
ドレスの裾を掴んで走り出した
『(このまま演劇部の部室に逃げちゃっていいのかな…!どうすればいいんだろ…!)』
若葉が曲がり角を曲がる
『んむっ…!!』
口を塞がれて空き教室に引き込まれた
『ん…!?んむっ…!!』
渉「しー…」
『!』
口を塞いでいたのは日々樹先輩
追いかけてきていた生徒たちが通り過ぎると口を離してくれた
『す、すみません、ありがとうございました』
渉「いえいえ。終わってすぐにこの格好のまま出たら危ないですよ?」
『は、はい…(日々樹先輩が真面目だ…)』
渉「改めて、今回はありがとうございました。とても助かりましたよ」
『それならよかったです。お力になれて』
渉「本当にシンデレラのような人ですね…」
『え…?』
渉は傅いて若葉の手を取った
『ひ、日々樹先輩…?』
渉「本物のシンデレラのようでとても美しいですよ…」
そして手の甲に唇を落とす
『…///!!!』