第6章 お姉ちゃん
『……っ』
倒れた若葉を嵐が抱き起こした
嵐「…!!…すごい熱…!」
嵐は若葉を抱きかかえて保健室へ向かった
嵐「佐賀美先生!」
佐賀美「あぁ?鳴上?珍しいな」
嵐「アタシじゃなくてこの子よォ!」
佐賀美「若葉…!」
嵐の腕の中でぐったりとしている若葉に驚き、急いでベッドに寝かせた
佐賀美「(久々に来たな…)」
佐賀美は若葉のブレザーを脱がせてYシャツのボタンをあけた
そして体温計をさして薬箱へ手を伸ばした
佐賀美「(熱冷まし…切れてんなぁ…。あと追加の毛布…)」
体温計が鳴り、取り出すと高熱の証
佐賀美「やっぱ高いなぁ…。鳴上、熱冷ましと毛布持ってくるから少し頼んだぞ」
嵐「はぁい」
『(頭…痛い…。目の前がぼやける…)』
嵐「若葉ちゃん、大丈夫?今先生が熱冷まシート持ってきてくれるから…」
『(あ……お姉ちゃん…)』
嵐「すごい汗ねェ…。今タオル持ってくるから…」
ギュ…
嵐「若葉…ちゃん…?」
『行か…ないで…っ…』
嵐「…!!」
『おね…ちゃ……』
嵐「若葉ちゃん…」
嵐が若葉の頬に触れた
嵐の手は熱のある若葉には丁度いい冷たさだった
若葉は嵐の手に擦り寄ってふにゃっと笑った
『えへへ…』
嵐「!!」
『おね…ちゃ…手…きもち…』
嵐「ふふ、よかったわァ…。大好きな若葉ちゃんの役に立って♪」
『…わた…しも…好き…』
嵐「…///!!」
ガラッ
佐賀美「お待たせ~…って…どした。顔赤いぞ。うつったか」
嵐「えっ///!?な、何でもないですっ///!!失礼しましたっ』
佐賀美「………」
佐賀美がベッドを見るとふにゃっとした顔の若葉が
佐賀美「(コイツ…やらかしたな)」