第5章 新しいお友達
そしてお昼休み
お弁当を食べてさっきの音楽室へ向かう
『あ、鍵開いてるんだ…』
若葉は中に入った
そしてピアノへ手を伸ばした
『使われてない音楽室って言ってたけど…ホコリ被ってない…』
鍵盤を叩くと綺麗な音が響く
イスに座って息を吐く
そして久しぶりに音色を奏でる
『~♪~♪~♪~』
昔りっちゃんとまーくんと一緒に歌った歌
まだ歌詞を覚えてるのもすごいな、と自分で思いながらピアノを弾きながら歌を乗せる
『~♪~♪~♪~』
弾き終わって息を吐く
パチパチパチパチ…
『!!』
音のするほうを見ると見慣れた人が
『(零…さん…?)』
零「綺麗な音色に目が覚めてしまってのう…。優しく優美な歌じゃ…」
『あ、ありがとうございます…』
零「おや…?」
黒髪の男の人は若葉に近づき見つめる
『あの…』
零「ほぉ…。綺麗な顔をしとると思ったらコヨミではないか」
『!!』
零「こんなところで何をしとるんじゃ?」
『しーっ!』
若葉は急いで零の口元を押さえた
零「??」
『ここでは白雪若葉です…!その名前で呼ばないでください…!』
零「白雪若葉…?」
若葉は零に今までのことやここにいる経路を話した
『と、いうことです』
零「なるほど…。我輩が眠っている間にそんなことが…」
『(眠ってた…?)』
りっちゃんのお兄さんの朔間零
この人にもよくお世話になった
妹のように可愛がってくれて優しい人だ
零「大変じゃったのう…」
零は若葉の頭を撫でた
零さんはお兄ちゃんみたい
“本物”のお兄ちゃんとは大違い
『えへへ…///』
零「!」
嬉しくて笑顔になる
零「本当に可愛いのう…」
零は若葉を抱き締めて頭を撫でた
『ぐしゃぐしゃになっちゃいますよぉ~』
零「うんうん、可愛い可愛い…♪」
『ふふ、くすぐったい』
零「………」
チュ…
『!』