第4章 臨時メンバー
アドニス「終わりそうか」
『あ、アドニスくん。もう少しで終わるよ』
アドニス「そうか」
そう言って若葉の前の席に座った
アドニス「若葉は絵が上手いな」
日誌の隅に小さく絵を描いていた
『そうかな…?昔はよく下手だーって言われてたけど』
アドニス「俺は絵が苦手だ」
『何回も描いてれば上手くなるよ!』
アドニス「あぁ」
アドニスがふわっと笑う
『(こんな柔らかい表情もするんだ…)』
ザァ…ッ
カーテンが風になびく
『…っ』
アドニス「…!」
風が止み、髪の毛がふわりと元に戻っていく
その姿にアドニスは目を奪われた
『…?どうかした?』
アドニス「…若葉、髪に葉がついている」
『え…?』
払おうと頭の上に手をやるがどこにあるのかわからない
アドニス「ここだ」
ひょいっと葉っぱをとる
『あ、ありがとう』
アドニス「いや…//」
『?』
アドニス「(何だ…。この感じは…。今まで感じたことがない…)」
『よし、日誌終わりっ』
アドニス「あぁ。お疲れ」
『これの提出で終わりだね。待っててくれてありがとう!僕が出してくるよ』
アドニス「そうか?」
『うん。今日は部活?ユニット練習?』
アドニス「今日は部活だ」
『そっか!頑張ってね!』
アドニス「あぁ」
アドニスはカバンを持って若葉の頭を撫でた
アドニス「ありがとう」
『!』
アドニスは教室から出て行った
『…寡黙だけど優しい人なんだな…』
それを今回は実感した
そして若葉は日誌を持って職員室へ
『失礼しました』
紅郎「お、いたいた」
『鬼龍先輩…?』
紅郎「ちょうど探してたんだ」
『僕を…ですか?』
紅郎「あぁ。ちょっと頼みごとがあってよ」
『何ですか?』
紅郎「妹に服を作ったんだが…着てみて欲しくてな。背もちょうどお前くらいなんだ」
『鬼龍先輩って妹さんいるんですね~。わかりました!僕でよければ!』
紅郎「サンキュ」
空手部の部室へ行き、服を見せてもらった
『わぁ~!!可愛い!!このお洋服きっと喜んでくれますよ!!』