第13章 宣戦布告
《ありがと~!~♪~♪~♪~》
『(この頃はまだ……楽しかったなぁ……)』
テレビに映るのは楽しそうにステージを駆け回る自分
『違う違う!とりあえずこのセトリ分、追いつけるくらいにならないとね』
再生しながら覚えている範囲で歌い、踊った
『(懐かしい……楽しい……!)』
―――――
『ハァ、ハァ、ハァ……』
DVDが終わり、若葉は座り込んだ
外は薄暗い
『踊れた……覚えてるもんだなぁー…』
何度も何度も練習した
泣きながらやったこともあった
『でもやっぱり落ちてるとこは落ちてるなあ……頑張ろう』
若葉は練習を再開
『そういえば曲とかパフォーマンスの指定されなかったなぁ……』
大神くんのことだからきっとロックなんだろう
『ロック……ロックかぁ……』
若葉はスマホで検索
『これ……前にアニメ曲になったやつ…』
少しロック調の自分の曲
『(あ、でも歌ったらバレるかなぁ……。聞いたことはあるだろうけど……うーーん…)』
晃牙《お前の本気を見せろよ》
『……本気…かぁ…』
悩んだ末、この曲に決めた
『……ステージに立てるのかなぁ…』
ドンドンッ!
『わぁっ!』
扉をノックする音が響き渡った
『だ、誰……?』
恐る恐る扉を開けると……
真緒「よっ!」
真「ごめんね、いきなり」
嵐「ジャージ姿も可愛い♪」
『みんな…!』
真緒「スポドリとか色々買ってきた」
真「そしたらさっき鳴上くんに会ってさ」
嵐「ふふっ、会いに来ちゃったわ」
『ありがとう…!』
真「このDVD…!」
真緒「自分で持ってたのか?」
『まさか。佐賀美が持ってたの』
嵐「あの人、チサちゃんの大ファンだものねぇ」
『あはは…』
真緒「流していいか!?」
真「僕も見たい!」
嵐「あら、このライブは行ってないわぁ」
『えぇー……まぁいいけど…』
《~♪~♪~♪~!》
真緒・真・嵐「可愛い~~~!」
『何か恥ずかしくなってきた……』
嵐「ペンライト振りたくなっちゃうわァ~♪」
真緒「わかるわかる」
真「合いの手とかまだ覚えてるよ~!懐かしいなあ」
『…………』