第3章 浅葱色の哀愁
「陸奥守は…刀が主役じゃなくなりつつあった時、抗いたいとは思わなかったの?」
思わず口から出たその問いに、陸奥守は驚いたような表情を見せた
「おんしは新選組の刀と似ちゅうことを言う」
「え?」
突然出てきたのは聞き覚えのある名前だ
「おんしのいう、時代に抗おうとした奴らがいるとすりゃあ、それは新選組じゃ
あいつら、時代の流れについていけんかったけのう」
つまり______
俺たちがよく出陣するあの幕末という時代の中で、堀川がいたという新選組は、最後まで刀で戦っていた
陸奥守や、彼の主であった坂本龍馬とは相反する関係だ
そうであるならば、陸奥守と出会ったあの日の堀川との会話にも納得がいく
「まぁでも、わしにはわしの、あいつらにゃあいつらなりの考えがある
おんしと会った時にも言ったはずじゃ
わしは世界を掴みたい、その世界が拳銃を選んだ
それだけのことじゃ」
「ふーん…」
考え方の違いか…
時代が変わっていくのだから、受け入れられる人とそうでない人はいたのだろう
「で、その後二つの勢力はどうなったの?」
「結論からゆうと、生き残ったがは倒幕派
龍馬は志半ばで死んだが…あいつの思いは残った
新選組のことは堀川に聞くとええ」