第1章 出逢い
「どうして…清光はうちの初期刀だよ…?
それに今は清光しかないし…こんな状態で刀解なんて…」
「主さま、そのことなのですが…
主さまが初期刀として昨日顕現させた加州清光は、不完全な状態で呼び醒まされた刀…
言わば『不良品』なのです」
「不良品…っ!?」
「はい…
記憶の一部喪失・身なりの乱れ、主さまが確認したでありましょう事象は本来起こるものではありません
それに加え、主さまはまだ確認されていらっしゃらないかもしれませんが…」
そう言ってこんのすけは、さっきまで清光が寝ていた布団の枕元に置いてあった刀剣の「加州清光」本体を手にとった
そしてそれを私の目の前にスッと差し出す
「これが…どうしたの?」
「鞘から、抜いてみてください」
言われた通りに刀を鞘から抜いてみると___
「っ…!!」
現れた刀は、錆びつき、ぼろぼろに刃こぼれしていた
これじゃあとても敵を斬ったりは…
「刀剣本体と顕現した男士の身体は密接に繋がっています
戦闘を行なっていない現段階でこの損傷…
あまり例のない現象なので確証はありませんが、記憶の喪失が刀本体にも影響しているのではないかと考えられます…」
「そんな…」