第3章 浅葱色の哀愁
「…誰?」
「あぁ、すみません!
新しく仲間になったばかりなので分かりませんよね」
この一週間のうちにまた新たに仲間が増えたのだろうか
ひとまずその声に敵意は無さそうなので、襖を開いた
立っていたのは気立ての良さそうな少年
赤色のピアスと内番服と思われる赤色のジャージとは対照的に、瞳は澱みのない青色だ
俺より少し低い身長は多分骨喰と同じくらいだから、脇差だろうか
目の前のその少年を見ている間、どういうわけか訪ねてきた相手もこちらをじっと見つめているので暫し無言の時間が流れたけれど
相手が話し出す様子もないので耐え兼ねて俺から切り出した
「えぇっと…はじめまして?」
「あ! は、はじめまして!
すみません、自己紹介しに来たのに呆けてしまって!
僕は堀川国広、数日前にここに来た脇差です
よろしく」
そう言ってその堀川という脇差は手を差し出してきたので、握り返しつつ俺も自己紹介する
「俺はこの本丸の初期刀の打刀、加州清光」
「うん」
「元々は貧しい環境で生まれた川の下の子で」
「うんうん」
「扱いづらいけど性能はいい感じ…って、どうしたの?」
堀川は俺の一言一言に大きく相槌をうち、どこか嬉しそうな顔で俺を見上げる