第3章 浅葱色の哀愁
「…実は進軍先で新たな男士を仲間にする際にも、通常は刀身を見つけ主様が顕現させるという手順を踏みます」
「え? でも今本丸にいる男士達は既に人の姿で出会ったのに…」
「既に人の身を得ている…それが意味することは、彼らが以前はどこか別の本丸にいたということ
任務中にはぐれたり、本丸自体が運営を終えた場合など様々な理由が考えられます
彼らは見つけ次第政府が刀解するのが通例ですが、私が頼み込んでここでは特別に彼らを仲間として受け入れることを許可していただいているのです」
つまり…この本丸では鍛刀はおろか、本来ならば出陣先で仲間を見つけることすらできないはずだった
運営自体を認めさせるのも大変だったのに、既に政府から特例を認めてもらっていたんだ
「私が知らないところで、こんのすけが尽力してくれたんだね…ありがとう」
「私にできることなら何でもします
鍛刀の件、難しいとは思いますが今度問い合わせておきますね」
そう言って再び畑へ戻っていった
本丸と政府を繋ぐ唯一の存在であり、始めからずっと支えてくれていたから、こんのすけに甘えすぎていたのかもしれない
こんのすけはこの本丸のためにできることをしてくれている
顕現させることができなくても、私にも何か自分の力でできることはないだろうか______